支援A
アイク「いやぁ、今日は星がたくさん見えるな−。たまには夜に外を出歩くってのも悪くは……」
アイーシャ「アイク!」
アイク「おおう?! そんなに血相変えてどうしたんだよアイーシャ。何かあったのか?」
アイーシャ「あ……ごめんなさい、取り乱したりしてしまって。怖い夢を見てしまったものですから……いえ、そんなことより、なぜこんな時間に外にいるんですか!」
アイク「なんか目が冴えちまってさ、眠れなかったんだよ。ちょっとばかし散歩がてら銭稼ぎしよーかなーと……」
アイーシャ「シルフさんに聞きました。もうかれこれ一時間以上は帰ってきていないと」
アイク「え、もうそんな時間? あ、いや悪かったよ。もう戻るからそんな怒んなって」
アイーシャ「怒っているわけではありませんが……」
アイク「んー、でもいつもと違うっつーか……何か元気なくね? あ、怖い夢を見たって言ったな。そのせいか?」
アイーシャ「それは……違うと言えば嘘になります。いやだわ、私そんなあからさまに顔に出してました?」
アイク「そんなことねーとは思うが……ほら、俺ら旅し始めてから結構経ったじゃん? だからかな、そーいうの鈍い割に結構気付けるようになった気がするわ。まぁ旅の仲間限定で、だけどな!」
アイーシャ「ふふ、最初は私の名字を覚えられませんでしたものね」
アイク「うっ、それは勘弁してくれ……。今はちゃんと言えるんだからよ。てゆーか、アイーシャの怖い夢って何だったんだ?」
アイーシャ「それは……その、」
アイク「見た夢を人に話せば正夢にならないって言うらしいじゃん。そしたらちょっとは怖くなくなるんじゃね?」
アイーシャ「そう、かもしれませんが……。……あの、笑わないで聞いてくださいね?」
アイク「えっ、怖い夢だよな?」
アイーシャ「私にとっては怖い夢だったんですけど、人によっては呆れられてしまいそうな内容なので……」
アイク「なんだ、そんなの大丈夫だって。話してみろよ」
アイーシャ「ええと、夢の中でアイクが……」
アイク「俺が出てきたのか」
アイーシャ「いえ、出てきたんですけど出てこなかったんです」
アイク「ぅおい、どっちだよ!」
アイーシャ「あ、ごめんなさい。私、夢の中で一生懸命アイクを探していたんです。でも、どんなに探しても見つからなかったから……」
アイク「あー、そういうことか」
アイーシャ「突然、何も言わずに消えてしまわれたのです。まるで最初からいなかったかのように……悪夢のようでしたわ」
アイク「なるほどなぁ……え、終わり?」
アイーシャ「え? はい」
アイク「そ、そうか……。ま、確かにいきなり誰かがいなくなるってのは怖いかもしんねーな」
アイーシャ「はい、目覚めてからアイクを探したら宿にいなかったので、つい夢のことを思い出してしまったのです。すみません……」
アイク「えっ、いや謝るなよ。一人で外をフラフラしてた俺も悪かったんだし……もう勝手にどっか行ったりしねーって! 約束するからさ」
アイーシャ「アイク……ありがとうございます。でも私……分かっています、アイクには何か特別な事情があるんでしょう? 約束でここに縛り付けるようなことはしたくありません」
アイク「そんなことは……」
アイーシャ「私なんかに構わず、自由でいてください。貴方は私の恩人。だから……貴方の重荷にだけはなりたくないのです」
アイク「何言ってんだ、アイーシャのこと重荷だと思ったことなんか一度もねーよ!」
アイーシャ「ふふ……私、アイクのそういうところ、好きですよ」
アイク「そーじゃなくて……いや、そんな風に言ってくれるのは嬉しいけど、俺が言いたいのはだな……」
アイーシャ「アイク?」
アイク「……俺は今! ここにいたくているんだよ! 勝手に好きなところ行けみたいなこと言われてもな、さびしーだろが!」
アイーシャ「そんなつもりでは……でしたら、一つだけ覚えていてください。私はずっとここにおりますわ。だから、いつでも戻ってくださって良いんですよ」
イク「……。あー、なんつーかアイーシャにはかなう気がしねーわ……」
アイーシャ「そうですか?」
アイク「そーだよ。俺だってどっかに行くつもりも予定もないんだからな、お前も覚えとけよ!」
アイーシャ「はい。改めまして、これからもよろしくお願いしますね」
アイク「ああ、よろしく頼むぜ」
(アイクとアイーシャの支援レベルがAになった!)
―――――
今回はちょっと長めになりました。
何気にAまで書いたのアイアイが初めてですね。というか、Aの会話書く時点ですでに割と恥ずかしかったんですが、こんな調子で支援Sなんて書けるのでしょうか。が、頑張ろう……!