Another jujuwalk 2


※虎杖合流後設定


「はい…はい…。かしこまりました。ありがとうございます。では、失礼致します。」


切断ボタンをタップして通話を終わらせる。先程から感じていた視線の方へ身体ごと向けると、悠仁くん達1年生トリオがじーっと私を見つめていた。


「皆どうしたの?何か気になる事でもあった?」

「名前さんも伊地知さんタイプだなーって見てた!」

「前に見た伊地知さんと完全に同じだったわ。」

「…伊地知さんタイプ?」


悠仁くんと野薔薇ちゃんの言っている意味がわからなくて、助けを求めるように恵くんに視線を投げる。


「お前らの主語がねぇから名前さん困ってんだろ。…電話中の行動が伊地知さんと似てるって話です。伊地知さんも電話しながら頭下げてたんで。」

「なるほど。」


言われてみればそうかもしれない。
条件反射と言うかなんと言うか…電話中も頭下げたりしちゃうんだよね。


「じゃあ名前さんもコレ出来る?ながら通話。」


肩と耳にスマホを挟んで悠仁くんが言った。
ながら通話なら簡単に出来る。
悠仁くんを真似て、肩と耳にスマホを挟んだ。


「出来るよ!ホラ。」

「名前さんも出来るのか…。」

「前の会社でパソコン叩きながら通話することが多かったから。」


野薔薇ちゃんはゆっくりと天を仰ぎ、ガックリと大きく肩を落とした。もしかして泣いてる???


「え、野薔薇ちゃんどうしたの。」

「ソイツ、ながら通話出来なかった挙げ句にスマホ落として画面割ったんです。」

「あああ…それは災難…。」


スマホの画面修理って地味に高くつくやつ…。補償入ってたのかな…。


「名前さんも気を付けて。スマホの画面って案外割れやすいわよ。」

「経験者は語るってやつだな!」

「言葉の重みが違ぇ。」

「うるっさいわね!!あんたらの画面も叩き割ってやるから今すぐスマホ出せや!!!」

「まぁまぁ野薔薇ちゃん落ち着い、」

「名前ー!!!!!!
ここにいたの探したじゃーん!!!」


────ドンッ


「「「「あ」」」」


トンカチを取り出した野薔薇ちゃんを宥めようと一歩踏み出すと、五条の声と共に背中に衝撃が来た。その拍子に持っていたスマホから手を離してしまう。


────ガシャンッ!!!


宙を舞ったスマホは、派手な音を立てて地面に落ちた。


「あーーー!!!私のスマホ…!!!」


急いで拾い上げると、画面はバキバキに割れてしまっていた。


「う…嘘でしょ…野薔薇ちゃんから忠告受けたばっかりなのに…。」

「ひゃー。名前さんのスマホ、釘崎のよりバッキバキじゃん。」

「私以上に派手にやったわね…。」

「電源は入ってるんで内部は大丈夫そうですけど…。」

「メンゴメンゴ。まさかスマホ持ってると思ってなくてさー。」

「あああああ五条の馬鹿…。」


かなりの衝撃だったのか、保護用に貼っていたガラスフィルムも含めて割れてしまっている。


「危ないから僕がそれ預かるね。明日一緒に直しに行こ?」


野薔薇ちゃんと同じようにガックリと肩を落とした私から、五条は悪びれもない様子で画面がバキバキのスマホを取り上げた。
相変わらず抱きついたままだし、私の頭に顎を乗せながら「デートするついでにスイーツも食べようね」なんて呑気なことを言っている。


「ちょっと待てーい!名前さん、五条とデートするなら私とデートしましょ。」

「え、俺も名前さんとデート行きたい!」

「ダメだよ。僕が先約だからね。それに名前は特級術師の護衛が無いと外に出れない事になってるから。」

「俺達や2年の先輩達と一緒なら名前さんも外出して良いって言ったのは五条先生ですよね。」

「そんなコト僕言ったっけ?」

「シラを切っても無駄ですよ。こう言う時の為にしっかり録音してあるんで。名前さん、出掛けるなら俺達と行きましょう。」

「…なかなかやるね恵。」



えーっと…スマホの修理に行くって話だよね?

な、なんだか話が違って来ているような…?



「じゃあ…皆でお出掛けしようか!スマホ直して、五条の奢りでスイーツ食べよ!」


五条のせいで割れちゃったし、この位はお願いしても良いよね?


「んー。名前と二人っきりじゃないのは残念だけど…良いよ。そのくらい御安い御用さ。」

「名前さん、修理代も五条先生に請求した方が良いですよ。」

「100%五条先生が悪ぃしな。」

「私なら10倍にして請求してやるわ。ついでにザギンでシースーよ。」




スマホは割れちゃったけど…皆とお出掛け出来ることになったし、結果オーライかも!



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