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(ファルグス・アンブローズ/No.487・男性寄り、クスミ/No.★0376・女性寄り、ナギ/No.0442・女性寄り、ナミ/No.0442・女性寄り)

クスミちゃんが記憶の大半を取り戻してから暫く経ってからの、双子に対するある小さな疑問と四人のとりとめのない会話。
現時点でイラストはまだですが、自宅BD旅パこと冒険者チーム・イチバンボシのメンバーの一人及び自宅LA主人公に関する言及があります。

本編は下からどうぞ。



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 銀髪の少女が己の記憶の大半を取り戻してから暫くの事。
 黒髪の青年は双子に対し、ある疑問を尋ねた。


「ところでナギにナミ。 お前達に一つ聞きたい事があるが、良いか?」
「何ですか? ファルグスさん」
「クスミがポケシンセカイにいた頃彼女の神社に遊びに来る際、神社の狛犬を通る時にイザナミのより弱いながらも彼女と似た気配や何かの視線を感じる時がたまにあってな……あくまでもこちらを見ているだけで、悪意は何もないようだった事からそのまま通り過ぎていたが。 今気づいたが、お前達から漂う気配が神社の狛犬のそれに似ているようでな。 もしかしてお前達は、あの神社の狛犬なのか?」


 青年がその質問を双子に尋ねたら、何故か双子は感動の涙を流して青年に抱きついてきた。


「ありがとうございますファルグスさん〜!! 私達の事に気づいて下さって〜!!」
「そうなんです! 私達、あの久住神社の狛犬なんです!!」
「お、お前達……急に抱きつかないでくれ……」
「そうよナギ、それにナミも。 ファルグスさん困ってるでしょ」
「だってファルグスさんは私達の事に気づいてくれたんですよクスミ様!?」
「そうですよクスミ様! ……聞いて下さいよファルグスさん! クスミ様ったらハコニワで私達と再会した時、私達の事を『知らない』と言い出してきたんですよ! 私達はこんなにもクスミ様の事をずっと見守ってきたのに!!」
「あの時は記憶を失ってたから仕方ないじゃない。 それに貴女達が喋ったり動いたりするのを見たのはこのハコニワに流れ着いてからだし、あの狛犬が"あのような姿"にもなれたなんてファルグスさんが貴女達に尋ねるまで知らなかったもの」
「私もお前達の"そのような姿"を見るのは、ハコニワに来てからが初めてだったからな。 クスミがそう思ってしまうのも無理もない事だろう」


 双子二人は少しむっとしながらも、青年の言葉に耳を傾ける。


「ならばお前達二人がクスミや私の事を知っていたのもーー"今の状態"のお前達と初めて会った時、私を見るなり『ファルグスさんだ!』と嬉しそうに言ってきたのも合点が行くな」
「あの時のファルグスさん、何だかちょっと難しそうな感じの顔してましたからねー」
「仕方ないよナミ、ファルグスさんはイザナミ様とクスミ様の関係や事情を知ってたもの。 イザナミ様のバックアップである私達を警戒するのも無理もない話だよ」
「だろうねナギ。 もし私達じゃなくてセンジュだったら、ファルグスさんももっと難しい顔してたと思うから」
「センジュ?」


 青年と少女は、双子から初めて出た名に少し首を傾げる。


「私達と同じイザナミ様のバックアップ達の一人で、私達の妹のような存在です。 イザナミ様よりかなり丸い性格なのですが『私達』の中でもイザナミ様に似ている性格な上に、私達の中でも霊力が割と強めの方で……」
「何でも『ポケシンセカイではない別の世界にいる誰かに、ハコニワの存在や場所を伝える』役目をイザナミ様から与えられ、クスミ様がいなくなりーー正しく言うとイザナミ様達がクスミ様をハコニワに避難させた後私達がこのハコニワに送り出されるよりも少し前に送り出されましたが、何故か『予定していた世界』ではないだいぶ昔の別の世界に流れ着いてしまったようです」
「彼女本人は役目を忘れていないみたいですがどうやらその世界で友達が出来て、今はその友達と一緒に何だかんだで幸せに暮らしてるようで……」
「なるほど。 ……しかし、その彼女を介してイザナミは誰に対しハコニワの存在や場所を伝えようとしたのだろうか……」




 黒髪の青年は知る由もなかった。
 双子達の妹であるそのセンジュが送り出された理由が『銀髪の少女を避難させた場所であるこのハコニワの事を、銀髪の少女の想い人である己に伝える』という、青年自らに関するものだった事を。
 その漂着してしまった別の世界が、青年自らが訪れそして飛ばされた事のある世界・名も知らぬ世界である事を。


 更にーー黄泉神・名も知らぬ世界の創造神二柱ですら全く予想していなかった事態が、名も知らぬ世界の創造神により『神造の英雄の器』として選ばれ過去の時代に飛ばされたある19歳の大学生の少女と、双子が語っていたそのセンジュの接触により発生した事を。



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本編は以上です。
『黄泉神・名も知らぬ世界の創造神二柱ですら全く予想していなかった事態』というのは自宅LA主人公・アケミがヒスバク(名も知らぬ世界的には八雲バクなのでしょうが)の姿になるきっかけとなった出来事を指します。
(現在の名も知らぬ世界より60年後の時代とはいえ、アケミは現代人のため)
なお、センジュの設定につきましては色星さんからの許諾を得ております。



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