The seal of darkness wedge補足
2019/09/04 19:44
(ファルグス・アンブローズ/No.487・男性寄り)
『無は無へ、虚は虚へ、闇は闇へ――根の根、底の底――』
赤い鎖と混沌に身を絡め取られながら、悶えながらも闇と混沌の王は絶えず歌い続ける。
君臨する事、即ち供儀。
封印され、己を深淵へと誘わせる事で自ら贄となり楔となるために、世界を磐石とするために。
『陰極まれば陽生じ、陽極まれば陰生ず。 下降し、凝集し、静止し、融合し、故にその濃さを増す――』
この世と思えぬ闇の波動に満ちた歌が響く度に異界の混沌は広がり、トランス状態になる事で生まれる膨大なまでの負の力の昂りによる快楽と深淵の螺旋は底無しの物となっていく。
それこそが封印されし贄にして闇と混沌の王として君臨する身である彼の神威にして、責務。
赤い鎖の擦れる音と、背後の触手の揺らめきと、異界の不可思議な旋律とが混ざり合い封印殿をこの世と思えぬ異界が満たしていく。
もしその光景を常人が見てしまったとしたなら、直ぐ様悲鳴を上げるか発狂してしまうかのどちらかであろう。
『堕ちよ、収束せよ、疾く、疾く我が下に集えよ。 疾く――深淵に――』
イラスト・The seal of darkness wedgeの補足文です。