結末
ああ、らしくない
ため息をつく午後
街の喫茶店の二階
本日も空は雲多し
街行く人を気にすることなく
頭にはただあの人のみ
ストロー付きの紅茶は
底をつきかけている
近過ぎて気付かなかった
近過ぎて気付けなかった
いっそ気付かなければ良かった
こんなに心
かき乱されるぐらいなら
どうして好きになったんだろう
どうして出会ってしまったんだろう
どうしてあの人の弟なのだろう
コップの中の氷を噛み砕いた
家に帰っても
彼女はもういない
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