2013/05/26〜2013/06/01

5/26

俺は『T』だ。
え、『R』はどうしてるかって?
ああ、それならとっくに死んだよ。
『R』の人格は殺されたんだ。
だから『T』の人格しか、この身には宿っていない。
ーーえ、どっちが最初からあった人格かって?
……さあ、どっちだろう。記憶にないな。
ーとある多重人格者の話


5/27

午前2時。
不意に目が覚めた。
もう一度寝ようとしたが、なかなか寝付けない。
誰もいないチャットルームに入る。
『眠れないやつちょっと来い』
どうせ反応はないだろうと思っていると、友人から書き込みが。
『助けてくれ! 夢で無数の幽霊に囲まれて…』
その日、友人は学校を休んだ。


5/28

真っ白な空間。
白い壁、白いテーブル、白いソファ。
白いテレビに、白いパソコン。
ペットは白い猫。
部屋の住人はー
「ただいま」
白い服を着た色素の薄い少年は、ソファに座って、黒いものをテーブルに置いた。
「待たせたな」
膝の上に乗ってきた猫を撫でる。
彼は殺し屋であった。


5/29

地球上の全ての場所で、アナウンスが流れた。
「本日にて地球は営業を終了します。今までのご愛顧、ありがとうございました」
すると、世の中には2種類の人間が現れた。
「嘘だ」と思って普通の生活を送る者。
「大変だ」と思って特別な事をする者。
しかしその夜、何も起こらなかった。


5/30

暗い、クライ空の下。
月も星も雲に隠れ、街灯も切れている。
視界に入る色は、ただ寝静まった家々のそれだけ。
どこからか怒鳴り声が聞こえる。
喧嘩でもしているのだろうか。
声の方向へ向かうと、不良が駆けて行った。
「奇遇だね」
振り返ると、血まみれのクラスメイトが笑っていた。


5/31

彼女はとある世界の守り神だ。
世の中で争いが起こらないようにしている。
ある時、地球の軍が彼女の世界に侵入した。
それに気付いた彼女は、能力を使って国民を避難させ、軍の前に立った。
1対無数。
勝ち目はない、と軍人が笑った瞬間、軍は消えた。
地球に強制送還されたのだった。


6/1

魔法学校の夜。
校庭には、君と僕だけ。
「最後に君とサシで勝負したのはいつだっけ」
僕が君に問いかける。
「さあ、いつのことやら。最近、お互いに忙しかったからな。ーでもまあ、それはどうでもいい。早くやろうよ」
君は挑戦的な視線を送る。
「そうだな」
さあ、延長戦の始まりだ。

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