2013/06/09〜2013/06/15


6/9
(多忙のためなし)


6/10

彼女と結婚式を挙げた。
二次会も終わり、家に帰ろうとした時、見憶えのある人物が僕らの元に来た。
「幸せになれよ」
その言葉と黄色いチューリップを置いて、その人は闇に消えていった。
「…やっぱり」
「え?」
「いや、何でもない」
どうやら、あの人は僕が好きだったらしい。


6/11

その昔、十年に一度、子供達の生贄を捧げる村があったらしい。
捧げる前に秘薬を溶かした飲み物で眠らせ、彼らを祭壇に載せ、祈りの詞と共に殺す。
けれどその村はもうない。
子供達の中に賢い子がいて、秘薬と砂糖をすり替え、儀式中に目覚めて大人を殺したそうだ。
子供は恐ろしいよ。


6/12

山の中に、古い教会があった。
もう使われていないのか、人の気配はない。
そっと扉を開けると、フレスコ画が目に入る。
そのまま祭壇まで進むと、最前列に死んだはずのあの人が。
「どうして…」
「どうしてって、君もこっちに来たからだよ」
「つまりそれは、」
「ようこそ、黄泉の国へ」


6/13

街中の学校。
窓際の一番後ろの席のあの子は、いつも外を見ている。
授業中も、休み時間も。
何が楽しいのだろうか。
ふと、彼に聞いてみた。
「常に移り変わるのが楽しいんだ。人や車の流れとか、信号とか、雲の流れとか…。見てたら、すべてを忘れられるような気がするんだ…」


6/14

世界は、絶えることなく回り続けている。
僕らが生まれた時も、小学校に入っても、受験生になっても、そして社会人になっても。
一度起きたことは二度起き、二度起きたことは三度起きる。
いくら技術が進歩しても、人は過ちを繰り返す。
ぐるぐる、ぐるぐると。


6/15

転校生がやってきた。
彼女の席は僕の隣。
僕はその姿をダウンロードした。
しかし違和感に気付く。
この姿、前にもダウンロードしたような…
彼女が話しかけてきた。
「私、葵。塾で一緒だったの。覚えてる?」
ああ、そうだった。
彼女は僕の好きだった子。
即座に再インストール。

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