2013/02/24〜2013/03/02

※★は続きもの


2/24(死ネタ注意)

僕には好きな子がいた。
高校の卒業式の前日に、学校の屋上で共に夕焼けを見たあの子。
「綺麗だね」と言った時の、儚くて、今にも消えてしまいそうな横顔が、今も脳裏に焼き付いて離れない。
同窓会でその事を友人に話した。
すると彼は、寂しそうにこう言った。
「実は彼女、半年前に亡くなったんだよ」


2/25(死ネタ注意)

夜道を歩く私達。
すると突然、彼が倒れた。
「救急車を…」
「いい」
「でも、」
「いいんだ。俺はもう十分生きた。思い残す事などない。それに、今回は本当に助からない気がするんだ」
「…っ」
「だから、最後に伝えたい言葉がある」
「…何?」
「…すき、だよ」
「…私も」
(女の日記はここで途絶えている)


2/26

「熱出した。助けに来い」
彼からのSOSに、女は財布と携帯だけを持って駆け出した。
買物を済ませて彼の家の扉を開けると、彼が女に抱き付いてきた。
「…アホかお前は」
「だって待ち切れなかったんだもん」
「…全く。何か作ってやるからベッドに戻れ」
「はーい」
(ああ、手間がかかるのに愛しいヤツ)


2/27

テストが返ってきた。
「よっしゃあー!」と叫んだのは、いつも赤点すれすれの人気者。
「え、どしたん!?」
彼の周りに集まる皆。
そして、そのうちの一人が皆に聞こえるように言った。
「こいつ、90点取ってるぞ」
「マジで!?」
「何で?」
「いやー、ちょっと本気を出そうかな、って」
なら普段から出せよ。


2/28

冬の夜、急に海へ行きたくなった。
自転車を走らせ、港の奥の防波堤へと向かう。
やがて鉄の扉にぶち当たり、自転車を止める。
人影がないことを確認し、扉を開いて先端にある白くて真っ暗な灯台へ。
風と波の音だけが響く。
星が煌々と輝く。
灯台の麓に座って覗き込んだ海に、僕は飲み込まれそうになった。


3/1

★高校卒業後、進学のために上京してから早10年。
地元で同窓会が開かれるとの知らせが届いたが、丁度休みが取れたので行くことにした。
皆に会えるのが楽しみだな、と思いながら新幹線に乗り込むと…何と俺の席の隣に、物凄く見憶えのある顔が座っていた。
だが、彼女は既に夢の中だった。


3/2

★起こそうかどうか迷ったが、別に急ぎ話す事柄もなく、また自分の方が通路側だったのもあって、やめた。
それに、寝ていてくれた方が俺にとって都合が良かった。
え、何でかって?
…それは察してくれ。
――嬉しさと緊張が入り混じったまま、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。

[ 1/24 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -