2013/04/28〜2013/05/04

4/28

「世界は何から出来てると思う?」
子供は「夢」と答えた。
若者は「自由」と答えた。
サラリーマンは「お金」と答えた。
科学者は「元素」と答えた。
芸術家は「美醜」と答えた。
哲学者は「生きるもの」と答えた。
作家は「ことば」と答えた。
僕は「パズル」と答えた。


4/29

シークレットシューズを履いて街に出る。
すると、今まであまり感じてこなかった視線がまとわり付く。
「あの人、かっこいい!」と言う黄色い声。
そのまましばらく、いい気持ちで大通りを闊歩していると、後ろから友の声。
「おーい、そこの162!」
こいつを殴っていいだろうか。


4/30

「空から降ってきて欲しいものは?」
小さな子供は「おほしさま」と答えた。
小学生は「ヒーロー」と答えた。
甘党は「飴」と答えた。
一人ぼっちは「友達」と答えた。
乙女は「白馬の王子様」と答えた。
貧しい人は「食べ物」と答えた。
大人は「お金」と答えた。
僕は「魔術師」と答えた。


5/1

異世界が実在することが発表され、異世界へのツアーが急増した。
僕も参加した。
すると、説明会と言う理由で、何もない一室に入れられた。
しかし、一時間経っても、一週間経っても、誰も来ない。
出口も閉ざされている。
やがて食糧も尽き、死人が出た。
これは天国へのツアーだった。


5/2

夜、星を眺める。
新月だからか、月の光はない。
あるのは星の光だけ。
そういえば、北極星って三連星なんだよ、って誰かが言ってた。
まるで、一組のカップルと、その片方を狙う人のような位置関係らしい。
足音が聞こえてきたので下を見ると、僕の好きな子が知らない男と歩いていた。


5/3

僕の趣味は写真だ。
気に入った一瞬をバシャリ。
今日は、ふと思い立って、パソコンで写真の整理をした。
すると、昔好きだったあの子の写真が大量に出てきた。
気付くと、画面の向こうの彼女に手を伸ばしていた。
「逢いたい」
不意にこぼれた言葉。
「逢いたい…っ」
けど、もう叶わない。


5/4

彼は二重人格だ。
普段はシャイな青年である。
だがある女が「愛してる」と彼に言うと、恥ずかしがり屋はなりを潜め、代わりに積極的な彼が顔を出す。
女は裏の彼を愛していた。
裏も、女を愛していた。
けれど表は、その事を全く知らない。
表は目を覚ます度、毎度空虚な気分に襲われる。

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