ラブ・ポーション 1 | ナノ



※裏・女体化注意!



折原臨也は心底後悔し、今の状況に絶望していた。
あり得ないあり得ないあり得ない!
臨也はパニック状態の頭で必死に手足をばたつかせるが、びくともしない拘束器具に息を飲んだ。


「ちょっと臨也、暴れないでよ。」
「うるさい! 何なんだよこれ!」
「なにって、臨也が望んだんじゃないか。」
「違うだろ!」
「おい臨也、その言葉使いどうにかなんねえの?」


―――…せっかく女になってんだからよ。




ラブ・ポーション




臨也は今、新羅の自宅マンションにて診察台の上で手首を万歳のような形で拘束され、足もまた拘束器具のせいで強制的に開かされていた。

そして。
臨也の身体は女性のものになっている。

いつものコートとVネックのせいで見えないが、臨也の身体には小ぶりながらも形の良い乳房がある。Vネックが軽く盛り上がっていた。そしてあったはずの男性器は無くなり、女性器が備わっていた。細いだけの身体に柔らかい肉がつき、肩幅もなくなっている。

完全なる、女性だった。


臨也が女体化してしまったのは、もちろん闇医者である岸谷新羅の仕業であるが、これには経緯があった。
臨也自身が、一時的に女性になりたいと志願したのだ。男である自分としか付き合い、性行為をしたことの無い静雄に女の身体を教えてやりたいのだ、と。
新羅は臨也の言葉に驚きを見せたが、面白そうだという一言で了承した。


女になれる薬を新羅の父から取り寄せ、液体化されたそれをコーヒーに混ぜ、臨也は一気にそれを飲み干した。
やる気満々の臨也は秘書に頼み女性用の下着類を一式揃え、コート・Vネック・ズボンをそのままに着替えると静雄の家に急ぐ。だが新羅はその背中を呼び止めると、臨也は突如襲った眠気に膝をついた。

そして、暗転。気づけば診察台の上、という流れだ。

臨也が新羅に提案した後、新羅は静雄にその話をし、ニヤリと笑う静雄にも加担したのだ。
臨也に媚薬を盛り、無茶苦茶に乱れさせてやりたい。という願いに。


「新羅! お前共犯だな! 最低! つかM字開脚とか悪趣味すぎるだろ!」
「ぴーぴーうるせぇなあ手前はよォ、」
「そうだよ臨也、諦めなさい。」
「ほんと、サイテー…!」


こんなつもりじゃなかった!
そう叫ぶ臨也に静雄はどんなつもりだったのかと詰め寄るが、頬を膨らませ顔を背けられてしまう。その行為が煽っているようにしか見えないことを、臨也は自分の立場を理解してやるべきだ、と静雄は鼻で笑った。

本当に女ものの下着なんだな、と上半身は脱がされていなかったがズボンだけが脱がされ、薄いピンク色をしたパンツが露になっていた。静雄の言葉にカァッと顔に熱が集まるのを感じ声をあげそうになる。

よし、じゃあ始めるか。

静雄は軽いトーンでそう言い、臨也は取り出されたものに息を飲んだ。


「し、しずちゃん。それ、何に使うかわかってるよね?」
「ああ、もちろんわかってる。電気マッサージ器、だよなァ?」


カチッ、という音と共にヴーと響くバイブ音。
電気マッサージ器はAVの中で電マと呼ばれている、大人の玩具の一種だ。確かにマッサージ器なのだが、コンセントで繋ぐことにより電池稼働のローターよりも威力があり、疲れしらずのため重宝されている。
なぜそんなものが、と思うより早く静雄が憎たらしく笑いながらその電気マッサージ器をちらつかせると、臨也は顔を真っ青にしてまた抵抗を始めた。ガチャンガチャンと繋がれた拘束器具が悲鳴をあげるがびくともしない。臨也は待って! と悲鳴に近い声をあげた。
だが新羅と静雄は臨也を無視するかのように会話を始めた。それは女の身体を知るための、新羅による講義のようだった。


「じゃあ、まぁ。手始めに陰核を刺激していこうか。」
「陰核?」
「言い方を変えると、クリトリス、だよ。発生学的には実は男性器に相当する器官なんだ。」


なるほど。と静雄はマッサージ器を持った手を軽くあげ、開けっぱなしの臨也の股に近づける。臨也はひっきりなしに否定の言葉を口にしていたが、新羅も静雄も聞く耳を持たなかった。


「下着の上から優しく。そっとね。女性器の上のほうにある小さな種みたいなのがクリトリスだよ。」
「あー、下着の上からだとわかんねえな…。」
「う、嘘! 待って! 嫌だって! ぃ、や! ぅあッ! …ひ、ぁ、…あッ!?」


ビクンッと大きく内股を痙攣させながら、臨也は陰核亀頭――クリトリスを刺激され初めての感覚に頭を振った。
拘束されているせいで足を閉じる事を許されず、迫る快感に逃げるすべはない。女体化の薬に混入されたとおぼしき媚薬の効果もあり、未だ弱の振動だというのに臨也の口からは甘い声が絶えなかった。


「ひ、ぃあ…だ、め! ゃだあ! こわ、ぃ、…ぅあッ! あっ!」


女性の味わう快楽。
腰の辺りがじんわりと痺れ始め、振動に合わせどくりどくりと脈を打った。


「気持ちいいのか、臨也? 言わなきゃわかんねえよ、」
「わかん、なっ…ひぅ! なんか、ぁ…なんか、クるッ! ぅ、あッ、いぁあ―――ッ!!」


ヴーと連続的に聞こえてくる電子音に合わせるように臨也はあんあんと声をあげ、頬を赤らめた。腰の痺れが徐々に集まり、臨也は口をぱくぱくと開閉させると背を弓なりにしならせ喉を晒す。
甲高い声を上げ内股が痙攣を起こすのを静雄ははっきりと見届けると、何度か目を瞬かせた後そっと電マを離す。イッたのか? と首を傾げながら問うた。

だが、は、は、と臨也は乱れた息を整えようと呼吸を繰り返し、静雄の問いに答える余裕など無かった。脳天を貫くような、一気に快感が溢れ、弾ける感覚。それはすべて初めて感じるものだった。


「イッたんだよなァ、言ってくんなきゃなかんねえよ臨也くん。」
「静雄、今臨也は女性なんだから、くん、はおかしくないかい?」
「おお、そうだな。なんだ? いざみちゃん?」
「うーん、漢字的にはのぞみじゃないかい?」
「じゃあ臨美ちゃんよー、気持ちよかったか?」
「ひぃっゃ!」


静雄は震える内股に触れ、そのまま下着にふれると敏感になったそこに臨也は悲鳴を上げた。
シズちゃん、と舌ったらずに呼ぶ顔はすでに快楽に溺れ、高揚しきっていた。静雄は指を割れ目に這わせると、しっとりと下着が濡れている事に気づく。少し擦りあげると、また臨也の口から嬌声が洩れた。


「ぅ、あ、…しず、ちゃ!」
「す、っげ。濡れるってこうゆう事か…。」
「膣分泌液、愛液だね。」
「しず、ちゃん、…AVしかない知識な、くせ、に…!」
「だから面白いんだろ?」


その言葉に臨也はああ、こんな事になるならやらなきゃ良かったと心底後悔した。
それは二度目の後悔だったが、もうどうにでもなれといった風に臨也はもう嫌だとはっきり口にしたが静雄は聞く耳を持たずに、下着を脱がしたいのだがどうすればいいのかと新羅に尋ねていた。確かに足を拘束されているために下着を脱ぐのは難しいだろう。
だったら解放しろよと臨也は熱くなる身体で内心愚痴るが、新羅の一言に絶句したのだった。


「切っちゃえば?」
「新羅最低! セルティに言いつけるからな!」
「じゃあ、ハサミわっと…。」
「しずちゃんのばか!」


しゃきん、と下着を切ると冷たいその触感に小さく声を上げてしまう。しまった、と思っても口を塞ぐ手は拘束されたままである。

だが静雄は見るのが本当に初めてのようで、生で見る女性器に見入っていた。


「あんまり、見るなよ…!」
「顔赤いぜ臨美ちゃん?」
「その名で呼ぶ、…やッ!」
「おわ、ぬるぬるじゃねーか。どんだけ気持ち良かったんだよ。」
「知らない!」
「なあ、入れてもいいか?」
「じゃあ次は膣に指を入れてみようか。」
「膣?」
「静雄は本当にアダルトビデオの知識しかないのかい? 言うのも恥ずかしいけどヴァギナだよ、アダルト用語ならマンコ。」
「あーなるほど。」
「さ、ぃ、てー…! 変態! も、嫌ッ! はぅ!?」

腕を引っ張り拘束器具を壊そうとするが、女性の力の弱さを実感するだけに終わる。ガシャンッと大きな音が響くだけで、何の意味もない。


「まずは人差し指から。」
「おう。」


電マの刺激によって濡れた膣にするりと侵入してくる静雄の指。腹の後ろをまさぐられる違和感に手を握る。うー、あー、と目を見開き身を震わせぽろりと一粒の涙が伝った。


「なあ、気持ち良いのか?」


無知は罪だ、とはうまくいったものだと臨也は他人事のように思った。




(20110209)

まだまだ続きます!
かなり長くなるやもしれません…甘裏目指して、連続更新というより定期更新かもしれません。ご了承ください!
でも書くの楽しいです!


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