ただ君の傍にいたい2 | ナノ





「臨也、」


優しく臨也の名を呼び、宥めるようにキスを落とす。軽く開いた唇に舌を忍ばずと、答えるように臨也もたとたどしく舌を絡め始めた。あまりにも近くにある静雄の顔に臨也は硬く目を閉じて肩を震わせる。

臨也、臨也、と何度も名を呼びながら唇をくっつけスライドさせ、舌に触れる。しっかりと腰に腕を回し静雄は崩れそうな臨也を支えた。


「抑えられそうに、ねえんだけど、」
「…初めてがソファで、とか。」
「ベッド、運ぶか?」
「いい。ここで、良いよ。」


額を静雄の胸板に押し付けた臨也は、静雄の激しい心臓の音を聞いてしまいカァッと顔に熱が集まるのを感じた瞬間、視界が揺らぎ、気づけば肌触りの良いソファに押し倒されていた。



ただ君の傍にいたい




ちゅ、と軽い音を立てながら静雄は唇から下へ下へとキスをどんどん落としていく。唇、顎、首筋、鎖骨。熱くなった身体に少し冷たい唇の感触。
臨也は身を捩り小さな甘い声を洩らした。


「―――あっ…!」


黒のVネックを下からまさぐられ、胸の突起が静雄の大きな手の中に包まれる。大げさな程に身体がビクリと跳ね上がり、臨也はキッと静雄をにらみ付けた。
静雄は嬉しそうに微笑み、Vネックをたくし上げその突起を口に含んだ。


「ゃ、どこ、舐めて…ッ!」


熱い口の中で転がされ舌で弾かれる。甘噛みされれば鋭いほどの快感が脳天まで突き抜け、臨也は小さく悲鳴あげ背筋を仰け反らせた。


「し、しず、ちゃ…ッ…!」
「言っただろ、触りたかったんだって…押さえられそうにないって、」
「ひ、ぁ…んっ…」


臨也、と静雄はまた名前を呼び左の突起は舌を這わし右の突起はコリコリと指で摘まんで弾いた。左右で違った刺激を受け、臨也は快感に身を捩りながら鼻に抜ける甘い声を上げた。


「も、…無理ッ…シズちゃん…!」


――…触れよ…!
臨也は腕で真っ赤であろう顔を隠し震えた声で呟いた。
臨也のその声にゾクリと背に這う感覚に静雄はゴクリと喉を鳴らす。こつん、と額に額をくっつけ静雄は難しい顔で言った。


「煽んな、馬鹿。」


静雄は臨也のズボンに手をかけベルトを外すと臨也自ら軽く腰を上げるのに気づき、だから煽るなってんだよ、と心の中でチッと軽く舌を打つ。脱がしたズボンをソファの横に捨てると、すでに臨也の性器はゆるく勃ち上がっていた。
臨也は恥ずかしいのか足をすり寄せ視線を泳がせる。すすり泣きに近い声を上げながら臨也は早く、と催促した。わかってる、と静雄は自身の指を丹念に舐め、臨也の秘部に指を這わす。
孔の近くを軽くノックすると、ひ、と小さく呻いた。静雄もまだ下部に熱が集まっているのを感じていたが、絶対に傷つける訳にはいかない、と冷静を装い、大丈夫か? と聞くと臨也はコクコクと首を縦に振った。


「声、出せ。痛かったら言えよ、無理はさせたくねえ、」
「ぅん、」
「俺は手前だからヤりたいんだからよ、手前が嫌ならすぐにやめっから。」
「大、じょう、ぶ、…ぅぁ、あ、あ…ッ!」


臨也がはっきりと頷くのを見届けてから、ゆっくりと指を挿入していく。臨也は握りにくいツルツルとしたソファの生地に爪を立て必死に静雄の指が最奥に触れる感覚に耐えた。静雄のいつもの乱暴な雰囲気は全くなく、臨也の息が整うまで見守ってくれていた。
ピリッと少しの痛みが走ったが耐えられる範囲だ。
臨也は違和感に耐えながら静雄の人差し指を受け入れると、熱い息を吐く。つらそうな臨也の表情に静雄は前の勃ち上がった臨也のそれにも手を伸ばした。
違和感だけだった内部に、前を擦られることで快感が徐々に湧き上がってくるのを感じ、あ、あ、と短く声を上げた。


「一緒に触らない、で…ッ!」
「やっぱ中、柔らかくなった。」
「いぅ、な…!」


前を扱きながら中の指をゆっくりと動かし始めた。確かに感じたはずの痛みは前の快感によって塗り替えられていく。涙で滲む瞳をぎゅ、と閉じると瞼ひキスを落とされる。前の強い刺激に腰をくねらせ逃げようとした時、静雄の長い指がある一点を掠め、大きな快感が全身をかけ巡った。


「ひあ、あぁッ…!」
「ここ、か、」


なにが、と臨也が聞く余裕は静雄がその一点、前立腺を集中的に刺激することによって生まれる激しい快感によって打ち崩された。気持ちいか、と静雄の嬉しそうな顔がちらりと垣間見れ臨也は反射的に中を締めてしまう。
ず、と中にある指の質量が増えたことを感じると指を増やされたことを理解し、白い喉を晒した。


「ぅあ、しず、ちゃん…ッ!」
「息、吐け。締めすぎ、指動かせねえ…!」


簡単には解れてくれない肉壁に臨也は必死に深呼吸を繰り返し息を整える。

―――…これじゃ、シズちゃん挿れられない、かな、

それは嫌だな、と臨也は腰を揺らし、ぎ、とソファが鳴いた。


「ぃあ、あ! そこ、だめ…っ、ぁ、」


臨也、と欲情の色が見える声で臨也を宥めながら手を動かしていく。
真っ赤になった顔に再度キスを落として甘い嬌声を吐き出す唇にかぶり付けば貪るように舌を吸い上げた。


「む、ぅ…っ…ぁ、」


軽く息の仕方を忘れそうになり酸欠に目の前がかすむ。溜まった涙が頬を伝ったとき、熱い唇は離れ、中にあった指もまた抜かれていた。


「挿れていい、か…?」


―――…ああ、やっと繋がれるのか。

臨也はここまで長かったなあ、と他人事のように考えながら頷いた。


「シズちゃんなら、いいよ。」


静雄はカチャカチャとベルトを外し性器を露にする。それはすでに勃ち上がり、臨也は息を飲んだ。臨也の足を肩に担ぎ、ひたりとそれを秘部に当てられると臨也はドキリと胸を高鳴らせた。
静雄に息を吐く事を促され、臨也は必死に頷くと静雄は大きなそれをゆっくりと挿入していった。


「う、ぁ、はいっ…ってきた…!」
「はッ…きつ…、」


はっきりと静雄のそれの形を感じてしまい、狭い肉壁をさらに締め付けはっきりと形を感じてしまう。静雄は萎える事の無い臨也の性器をまた擦り上げ始め、臨也の口からはひっきりなし甘い声が洩れた。ゆっくりと、だが確実に中に沈めていくそれは孔を広げるように進んでいく。ぐ、と奥まで挿入し終わると眉間に皺が寄る臨也の額にキスをすると、許可をとった。


「動いて、いいか?」
「はは…、優しく、してね?」


冗談交じりに言う臨也に静雄も苦笑いを零し、了解、と返した。


―――…触って、
―――…俺だけを触って、



(20110130)

舞流さまリクエスト「音失の続編その後の2人・切甘(エロ)・乙女臨也で嫉妬」でした!

アップが遅くなってしまいすみませんでした><
そして挿入してはいるんですが未遂に近い感じでしみません…!
音失が好きだといって頂き本当に嬉しかったです!
リクエストありがとうございましたー!

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