暗闇の中で、死なせて2 | ナノ





モブ臨有
裏に注意
臨也さんが可哀想








平和島静雄が強靭的な力を失った。それは前触れも無く突如訪れ、静雄はただの人間となった。

静雄が力の消失に気付いたのは朝に目が覚め、身体の違和感があった所から始まった。何かぽっかりと空いてしまったような、何かを忘れてしまっているような…。静雄は妙な感覚に襲われ、そしてそれが力の消失だとわかったのは、いつものように金の回収に出た時、握った標識が曲がる事が無かったのがきっかけだった。
どんなに力を込めても今までのようにぐにゃりと曲がる訳がなく、ただただ標識の冷たさに呆然としていた。

忌々しい力からの解放。静雄が喜びにうちひしがれているのも束の間、あの平和島静雄が力を失ったという噂は瞬く間に池袋中に広まっていった。あの平和島静雄が、キレない。それは今まで静雄に喧嘩を売った人間達が血相を変えて静雄を潰しにくるきっかけとなってしまった。
襲ってくる輩を持ち合わせの身体能力だけで切り抜けてきた静雄だったが、ある日の事。回収が終わり、静雄が上司であるトムと別れ池袋の街を散策していた時。突如背後から鈍器によって襲われ、抵抗もままならぬ間に静雄は、拉致されてしまった。

そして、臨也は――…。



男はベッドの上で乱れる臨也を口許を歪め眺めている。臨也の甘い嬌声が洩れる中で、静雄はやめろと訴え続けた。


「折原さんとは取引の常連でね。今日も情報を提供してもらう予定で来てもらったんですよ。…まあ、少し薬を盛らせて頂きましたがね。」


もう静雄は臨也を見ている事ができなかった。
薬に筋弛緩剤の類いも調合されていたのか臨也の後孔は挿入された何本もの指を抵抗無く受け入れていく。男はぐちぐちと卑猥な音を立てて後孔を弄んだ。


「ひ、ぁあ! ん、んーっ、ぁ、あっ、く、」


ぎゅ、と瞳を閉じて蠢く男の指の愛撫に必死に耐えるように下唇を噛んだ。その時、男の指が前立腺を掠める。臨也は今までに無い快感にビクリと大きく身体を震わせ、膨張した性器から先走りを垂らしていた。もう1人の男がその先走りを舐めとるように裏筋をべろりと舐めて、そのまま口の中へと臨也の性器をふくむ。


「ひっ、ぁああァッ! ゃめ――……、んんッ!」


耐える事も出来ずに大声があがると、背後にいる男が臨也の黒髪を掴みそのまま露になっている下敷きの男の性器を口にふくむように促し、無理やりに突っ込んだ。耳元で噛んだらどうなるか、わかるよな? そう呟いて前立腺のしこりを引っ掻かれれば臨也の瞳は生理的な涙が溢れ出していた。


もう、やめてくれと食い縛りながら訴える静雄に首謀者の男は声を上げて、笑った。


「君への仕返しだよ、平和島くん。堪えるだろう? 恋人を目の前で犯されるのは。」
「て、めぇ――…!!」


見下ろすように首謀者の男は静雄を笑い、静雄は拘束された腕を必死に動かし少しでも希望があるならと再度抵抗し始めた。
臨也の喉を突く男の性器。部屋には、臨也の後孔を弄られ腸液とローションの混ざるぐちゅぐちゅという音。男が臨也の性器を口淫する音。臨也が強制的に口淫されている苦しそうなうめき声が満たしていく。


「君は知らないだろうが、平和島くんには1度、取引を邪魔された事があってね。君が池袋で暴れだし、飛び火をくらったんだよ。とても迷惑だった。あの取引はとても重要で、そう、重要だったのだよ。それを君は、壊した。」


――…だから、君の大切な物を壊してあげよう。
ニタリと男は口許を歪める。やめろ、と言う静雄の声は震えていた。


「んぐ、…ぅ…っァあ!」


下に居る男が強くじゅるりと性器を吸い上げ、それに合わせるように前立腺を引っ掻く、そして黒髪を掴み男の性器を喉に擦るよう押さえつけられれば臨也も、そして下に居る男も同時に精液を吐き出していた。そしてまた髪を引っ張られ、男の性器が口から外される。口から溢れる白い液体。口に、出された。沸き上がる嘔吐感に臨也は身体を強ばらせた。だがこれで終わりではなく、全てを飲み込むように下に居る男は臨也の性器に吸い付き、反射的に洩れる嬌声に吐く事もままならなかった。

後ろの男はイッたばかりで未だ震える臨也の細い腰を掴み、背後からはち切れんばかりのそれをローションと腸液で濡れた後孔にあてがった。口に出されたショックからとっさに当たるそれに意識を戻され、臨也は悲痛の声を上げた。


「い、ゃめ、それはっ、ぃや、だ! ぁあっ、ひ、ぁああ!」
「臨也――…ッ!!」


ぐっ、と男の腰が沈み臨也の身体を貫いた。最奥部にまで感じるそれに臨也はぱくぱくと口を開閉させる。そして律動が開始され、また自分の性器が勃ち上がっているのを感じ、臨也は転がる静雄に見るな、と嬌声混じりに叫んだ。

静雄は目を見開き、わなわなと唇を震わす。沸き上がるのは怒りではなく、殺意だった。ぐちゃぐちゃにされた臨也の姿に、静雄はただ殺意に身を震わせる。殺してやる、低い声で呟くと首謀者の男が楽しそうに大声で「力の無い君に何ができる。」と笑った。


「あァ、ひ、ふァあ! いああっ! しず、しず、ちゃ、あ!」


多大な快楽を得られる前立腺を責められ続け、臨也は男の性器を締め付けてしまう。煽るようなそれは一層律動を早めさせた。切れ切れに臨也は静雄の名前を呼び続け、見るなと何度も何度も叫んだ。パンパンと肌がぶつかる音と卑猥な水音が熱い部屋に響く。どんどんと早く激しくなる男の腰の動きに、大きな一粒の涙が臨也の頬に伝った。





「たす、けて、…しず、」





―…助けて、
そう紡がれた言葉に、静雄は溢れる涙を止められず慟哭のように声を上げた。



沸き上がってくる、怒りと殺意。ぽっかりと空いていた空間が埋まっていく。目の前が真っ赤に染まった。
無我夢中だった。肩が外れようが喉が潰れようが関係無い。静雄は力任せに手枷を千切り捨て、男達に殴りかかっていた。骨の折れる嫌な音。臨也を組み敷いていた男達をやるのに時間はようさなかった。殴って、投げて、終わり。解放され、力無くベッドに沈む臨也。手を差しのべる前に、静雄はゆらりと振り向いて首謀者の男に告げた。


「なぁ、俺、さっき殺すって言ったよなァ、」
「化け物が―…ッ!」


だらだらと嫌な汗を流しながら真っ青な顔になる男に、静雄は今まで向けられていた笑顔を返す。歪んだ、笑顔を。
問答無用だとばかりに静雄は男を殴り倒し、上がる息と込み上げる殺意を必死に止めた。気絶した男を捨てて、ようやく臨也を抱き締める。閉じられた瞳はゆっくりと開かれ、赤い瞳は静雄を捉えた。


「力、もどっ、ちゃったんだぁ…」
「…悪い、いざ、」
「俺の、せいだ、ね。」
「なに、言っ、」
「またシズちゃん、が、化け物に、なっちゃ、った。」


ぼろぼろと臨也の瞳からは絶え間なく涙が溢れ、静雄のワイシャツを濡らしていく。ごめんね、と呟く臨也はずっと拒絶していた力を失い、静雄が喜んでいた事を知っていたのだ。つられるように静雄の瞳にも涙の膜が張られ、ぽろりと一筋の涙が溢れた。


「バカやろ、」


――…手前を守れなかった俺は、化け物で十分だ。




(20101217)

ゆう様リクエスト「何かあって力を失ったシズちゃんの目の前で、モブに犯られる臨也さん」でした!

ドシリアスになりました!すみません><
臨也さんが凄く可哀想な感じになってしまったんですが、大丈夫でしたでしょうか…?
そして結局力が戻るという…すみません!!
リテイクはいつでも大丈夫ですので!なんなりと!

こんなサイトにstkして頂いて本当にありがとうございます!私もモブ臨がすきです!←
これからも、どうぞよろしくお願いいたします!リクエストありがとうございましたあ!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -