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12/5〜1月6日までの拍手お礼文でした^^




あはははっ! と腹を抱えて笑う臨也とその態度に青筋を立てる静雄。その2人の姿に門田は勘弁してくれと大きな溜め息をついた。

帰ってきた期末テスト。
テスト終了後、静雄はできなかったと肩を落としていた。なんとかなるさ、と門田はその肩を叩く。だが、帰ってきた答案には赤い丸がひとつしかなかったのだ。


「5点っ…ごっ、5点とか本当にシズちゃん最高!」
「うっせんだよ手前は!」
「静雄、落ち着け。臨也もバカにするな。」
「これで確実に冬休みは補習決定だね、シズちゃん?」
「うぜぇ、何なんだよ手前、俺に喧嘩売って楽しいかよ!」
「うん、すっごく!」
「殺す! めらっと殺す、確実に殺す!」

「あーあ、もう止められそうにないねえ…。」


教室内だというのに静雄は椅子を持ち上げだし、臨也は躊躇いもなくナイフを振りかざす。いつもの戦争が始まってしまった。門田は痛む頭を抱えて、二度目の溜め息をついた。
暴れだした2人に教師はあたふたと取り乱し、他の生徒達は流れ弾に当たらないように逃げ出していた。中には良いチャンスだとサボりに出る者もいるだろう。人が少なくなった教室で、静雄は答案を握り潰し、机、椅子、その他諸々を担いでは臨也目掛けて投げ飛ばす。ひょいひょいと軽く臨也はそれを避けては笑い声を上げた。


「ノーコン! 駄目だなあっ! ちゃあんと見て、当てなきゃ。」


すとん、と臨也は床に降り立ち静雄の手から飛ばされた答案を摘んだ。ひらひら、と風になびいたそれに静雄は、あっ! と声を上げる。返せと伸ばされた腕も虚しく、その紙は臨也の手によって、窓の外へと、流れていった。


「おいっ! 手前、何して――…っ!!」
「あはははっ! 5点のテストが飛んでいくーっ!」
「死ね臨也ああっ!!」
「早く取りに行きなよシズちゃん! あ、ほらっ! 木に引っ掛かった!」


静雄はガタリと窓から身を乗りだし、落ちた答案用紙を探す。あれだよ、あれ! とどこか楽しそうな臨也が指差すところを見ると確かに緑の中に見える白があった。静雄はチッ、と派手に舌打ちをして後で絶対ぶっ殺す! と叫びながら窓の縁に足をかけ、そのまま、飛んだ。


「…相変わらず化け物だなあ、シズちゃんってば。」
「君は静雄を怒らせて何がしたいんだい?」
「殺したい!」
「物騒な事を言うなよ…。」


3階から飛び降りたにも関わらず普通に着地に走り出す静雄の背中を見て、臨也は笑う。門田だけではなく新羅もまた呆れたように溜め息をついた。


「シズちゃんは頭悪いから進学は無理そうだよねえ…でもシズちゃんが就職? あーないない、それは無理だ。この時期にあの点数じゃ大学は無理で仕事も無理じゃニートか!」


臨也は転がった椅子を建て直し適当に座る。そして窓から木に登ろうとする静雄を見据えた。新羅は眼鏡を正し、どこか楽しそうに微笑む臨也を横目に見て、新羅もまた静雄を見つめると、そっと臨也に問いかけた。


「臨也はどうするんだい?」
「…んー、永久就職するね。」


何に? と新羅が聞くのよりも早くに臨也は頬杖をつき、声を上げて笑った。


「シズちゃんにちょっかいを出す事に。」


そいつは大変だ、と門田は頭を掻きながら答案を取り戻し、ずんずんとこちらに戻ってくる静雄の姿に苦笑を漏らした。


(20101212)

拍手ネタ募集「成績表・進学・就職活動」より

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