短編小説 | ナノ


※R18注意
※みさくら語注意




 大きなカメラに向かってベッドに四肢を投げ出す臨也は笑顔を向け、決められた台詞を言う。台詞の途中で静雄は数歩前に出て、カメラに少し映りこんだ。
 細められた艶やかな赤い瞳に息を飲むと、臨也はふふ、と鼻で笑いベッドから降りると静雄のバックルを外しに手をかける。


「わ、おっきい」
「…っ…」


 男優は声を上げてはいけない。このビデオの購入者が求めているのは臨也の声なのだから。

 臨也は慣れた手つきで静雄の性器を取り出し、第一声にそう言った。今まで女の相手をしているときもサイズの事を指摘されたが、今日ほどに心臓がうるさかった事はなかっただろう。
 上目遣いで臨也は静雄を見つめ、膨らんだ亀頭にちゅとキスを落とし、裏筋に舌を這わせながら口に含んだ。

 男優は簡単にイってはいけない。

 男優は相手をイかせるのが仕事だ。どんなに愛撫されても相手を翻弄するぐらいの心持ちでなくてはいけない。
 だが、さすが、というべきか臨也はとてもうまかった。少ししか口に含んでいないというのに全身に快感が巡った。

 ゆっくりとしたストロークだが口をしっかりと閉め、吸い付いてくる。時折ひねりを加え、静雄の快感に歪んだ瞳を見つめながら手を添えて側面を舐め上げる。


「…っ、」
「おっきくなってきたね。ふふ、すごい匂い」


 ちゅちゅ、とキスをしながら臨也は絶妙な力加減で静雄の性器を扱き、溢れる先走りを舌で舐めとった。


「気持ちよかったら、イっていいんだよ?」


 見上げながら言うその台詞は耐えている静雄に言ったのか。静雄の後ろからフェラをする臨也を映すカメラに向けて言ったのか。
 射抜かれたように赤い瞳に見つめられ、また臨也は静雄の性器を口に含む。じゅるじゅるとわざと音を出しながら口を窄め強く吸い上げるように性器に刺激を与え始めた。
 くっ、と静雄が僅かに声を洩らすと臨也はずぽんっと音をたて口の中から膨張した静雄の性器を抜けば、ゆるゆると上下に手で扱く。


「あ、イっちゃいそう? いいよ? ほら、」


 真っ赤な舌で尿道口をぐりっと刺激すれば、呆気なく静雄は精液を吐き出した。
 それを待ってましたとばかり臨也は口を開け、精液を歓迎する。大半の精液は臨也の顔を汚し、それを指で拭いとるとまた口へ運んだ。


「おいし…。すごい濃いんだもん。ねえ、溜まってた?」
「…っ…」
「指、出して? イれて欲しいから、準備しなきゃ」


 出してと言うより先に臨也は静雄の手をとり、口に含む。れろれろと唾液をつけるように舐めまわしちゅ、とキスをした。
 ベッドに手をつきうつ伏せになると臨也は腰をあげ、両手で自身の尻タブを掴みサイドにひっぱり、くぱぁと穴を露にした。


「見える? ここに、いれるんだよ。ね、早くいれて…」


 ごくり、と生唾を飲んだ。
 静雄は身をベッドにあげ、ひくつくそこに指をゆっくりと挿入していく。
 生暖かい粘膜に、酷く興奮していた。


「ひぃ、ぅあ! はいって、きたぁ…!」


 これが男なのか?
 背中から見えるラインは女より肉つきがなく細いだけで大して変わらない。筋肉もろくについていない身体。充分、興奮材料になりえる存在だった。

 静雄が第二間接ほど中指を挿入したときだった。
 シーツに顔を埋め、腰を揺らす臨也が悲鳴に近い声を上げた。


「そこぉ! そこ、指を、下にまげて? そした、らぁ…しこり、みたいなのがあるから、いっぱい擦ってぇ…!」


 男相手が始めてな静雄は臨也の言う事を聞く事しかできない。実際このスタジオに入る前に相手の言う事に従っていれば大丈夫だから、と言われていたのだ。
 指を折り曲げ、所謂前立腺を刺激すると臨也は頭を振って嬌声を上げた。
 臨也の性器はカウパーを洩らしシーツに染みをつくる。シーツに性器を擦りながら臨也は腰を振った。静雄は言われた通りに前立腺を擦りあげるとあっけなく臨也は精液を放った。


「ふ、ぁ…なか、解して、もっと激しくしていいからぁ…、もっとぐちゅぐちゅにしてえ!」


 もうやけだった。
 叫ぶように強請る臨也に静雄はヒュ、と息を詰まらせ入れていた指を一気に沈める。
 弓なりにしなる背中を見ながら、中を広げるように指の出し入れを繰り返すと、今度は指を増やして、と強請り始めた。
 揺れる腰は女のようで、一気に三本の指を挿入しようが抵抗もなく沈んでいく。
 頭を下げてシーツに顔を埋める臨也だったが、カメラが正面にまわり臨也の表情を撮ろうと構えた。
 静雄は臨也に声をかけそうになるがグッとこらえる。
 童貞くん役の静雄が顔をあげろ、など命令できる訳がないのだ。いち男優としてこの状況はどうするべきかと思った矢先、黒髪が揺れた。


「すっごい…きもちぃ、よお?」


 カメラに向かってそう呟いた。
 その表情は静雄には見えない。だがカメラを持つ男が息を飲んだのがわかった。
 それにカッと頭が熱くなったのを感じると、静雄は中に挿入した指を広げ中に空間を作る。外気に触れるのか臨也はまた顔を沈め小さな悲鳴を上げた。

 ちゅぽん、と指を引き抜くと物寂しそうにひくついている。ぽっかりとあいた穴は未だ快楽を欲していた。


「挿れたい、…でしょ?」


 ぐるりと身体を動かし仰向けになると、臨也は足をたてる。
 股を開くと勃ち上がった性器が露になった。震えるそれは先走りでてらてらと光っていた。


「ここ。見えるよねえ…? きて? おっきいおちんぽほしい、」


 静雄が近づくと臨也は静雄の性器に手をそえ、自分の秘部に誘導した。
 ここだよ、ここに挿れて?
 臨也は熱い息を吐きながら静雄の勃ち上がった性器をうっとりと見つめた。
 そして静雄をカメラを見上げ、


「いっぱい、犯してね?」


 艶やかに微笑んだ。


「―――〜〜…ッ!!」
「…ひぃやぁあっ、生おちんぽきたぁっ あちゅいのぉ!」


 ぐずぐずだったそこはカリを難なく飲み込み、半分までいくと静雄は一気に挿入した。
 ぐんっと中を抉れば面白いぐらいに臨也は全身を震わせ快楽に溺れた。ぱくぱくと口を開閉させ目を見開く。
 中は食いちぎられるほどキツイ締め付けだった。やけどしそうなほど熱い肉壁に静雄は息を詰まらせる。
 落ち着くまで、と静雄は中に挿れてからじっとしていると臨也は自ら腰を揺らし始めた。


「やらぁ…っ! うごいてよぉっ! おちんぽで、おく、ごりごり突いてぇっ」
「…っ!」
「やっ、おっきくしないでぇ…!」


 無理言うんじゃねえよ!
 内心叫びたくなるのを耐えながら静雄は臨也の細い腰を掴む。真っ赤な顔を腕で隠しながら訴える姿にカメラの音声に拾われない程微かに舌打ちをすると、静雄は性器を打ちつけ始めた。


「あっ、はぁっあああっ! おっきい生ちんぽきてるよぉ…!」


 カリを半分まで引き抜き、中に押し込む。何度もそれを繰り返した。
 中に入れてしまえば女を相手にしているのと大して変わらなかった。
 どんどん臨也の喘ぎ声は大きくなり、静雄の動きに合わせ腰を激しく振った。
 顔を隠していた腕はシーツを掴む。時には自身で乳首に愛撫し始めていた。


「ここぉっ、ここ突いてぇっ! 」
「…?」

 臨也は自身の性器の当たる下腹をさすり、突いて突いてと強請った。
 静雄は一旦半分まで性器を引き抜き上を目掛け腰を動かすと臨也は白い喉を晒し喘いだ。


「ひゃぁっ、ああっはぁあっ! ぜんりつせんっ、きもちいの、きてるよぉおっ!」
「くっ…」
「もっとぉお! もっと突いてえ! なか、なかにいっぱいそそいでいいからぁあ、ひぃやぁあっ!」
 

 一度も触れていない臨也の性器は限界まで反り返りカウパーを溢れされ腹を汚していた。その性器を扱けばうるさいぐらいの嬌声が響いた。
 腰を打ち付ける度にぐちょんぐちょんと静雄の先走りと臨也の腸液で溢れる。赤い瞳はぐっと閉じられ生理的な涙が溢れていた。


「やあぁっ! やら、やらあぁっ! それとおちんぽだめええっ、でちゃう! おちんぽみるくでちゃうからぁ…!」


 ああこれが、あのさっきまで立っていた折原臨也だと名乗った男なのかと、目を疑う光景だった。
 口の端からはしたなく唾液を零し、律動にあわせ腰を振りもっとと強請るその姿は艶やかすぎて見つめているのも恥ずかしいほどだった。
 女の相手をしているときも、豹変する女もいる。だがその相手をしているとき、どうしても冷めている自分がどこかしらに居たはずだった。だが今はどうだ。静雄はごくりと喉を鳴らす。
 一心不乱に快楽だけを貪る姿に目が放せなかった。


「おくきてりゅぅう、だめぇっ! イっちゃうのぉお、ぱんぱんって、いっぱいつかれてイっちゃう、からぁっ、ああぁああッ! 」


 最奥に性器を押し込み、臨也の張り詰めた性器の尿道に爪を立ててやれば一際大きく鳴いて、体と性器を震わせ達した。
 限界だった静雄自身も躊躇い無く胎内に注ぎ込む。それすら快感として変換してしまうのか、臨也は精液を暫く溢れさせていた。
 搾り出すように性器を扱くと臨也はびくんっとまた肩を震わせる。


「…ぅ、あ、はぁ…!」


 ゆっくりと性器を抜くと精液と腸液が混ざったどろついた液体が糸を引いた。
 抜く瞬間も何度か身体を震わせ甘い声をあげる臨也は、シーツを握り必死に息を整えていた。


「きもち、よかったぁ…」


 ベッドに身体をあずけ、うわごとのように呟いたあと、静雄に、カメラに潤んだ瞳を向けて言った。


「きもちよかったでしょ…? また、犯して、ね?」


 はい、カット! とスタジオに響いて初めてのゲイビデオの撮影は終わった。
 静雄は暫く呆け、あの熱い胎内を忘れられそうになかった。


 これが平和島静雄の折原臨也との初めてのコンタクトだった。




(20110322)

ついったにてネタを頂きましたAV男優ネタでした!
出会い編。
本当は臨也を抱いてから女専門の男優になった静雄と相変わらずゲイビ専門の臨也さんで、女の子を抱いてる静ちゃんと男に抱かれてる臨也に互いに嫉妬して……みたいな話を書きたかったんだけどなあ、おかしいなどうしてこうなった

そして初みさくら語臨也さんです。
書いてる時に恥ずかしくて何度か爆発しそうになりましたBGMはくるみぽんちおでした頑張った恥ずかしいです今でも!すみませんでした!!!
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