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注意事項
臨也の双子の妹として「甘楽」が存在します。
完全パラレル。
静臨前提の静雄←甘楽です。
大丈夫って方はスクロール!












「痛ってえな…」


どうしてこうなった。

さっき、
そうだ、さっき臨也が昼食を作るからといって買い出しに行った。
今日俺は非番で(自分で言うのはなんだが)珍しく臨也の家で大人しく帰りを待ってた。
(腹が減ってたからだ。そうに違いない。別に臨也の家だから緊張していた訳じゃない。)

殴り込みにはよく来るが、こうやって真剣に中を覗いた事はなかった気がする。
ぼーっと辺りを見回す。
きれいな家具や整理された机。
(あーなんかうぜえ、)

そんな時だった。
「えーいっ!」という頭の弱そうな声とともに俺の視界はグラリと揺れ、背中に衝撃が走る。

「…おい、」
「もーなんですかあ、シズちゃん!」

甘ったる喋り方、それは臨也と似てない点としてあげられるな。

「可愛い女の子が大胆に男性を押し倒してるんだからあ、もっとリアクションしてくださいよー!」
「誰が可愛いって?」
「もっちろん!甘楽ちゃんでっす☆」

ビキリ、と何かが頭の中で鳴った気がする。
拳を強く握るが、さすがに女を殴るのは気が引ける。
だが、しかし。
こんなにもあのノミ蟲に似ているコイツに苛立ちを感じない訳はない。

――…臨也の双子の妹。

双子というだけあって臨也とは瓜二つだ。
初めて甘楽に会ったとき、臨也の野郎が狂って女装でもしてやがるのかと思ったほどだ。
サイドの髪は臨也より少し長めで、後ろの髪が腰あたりまであるロングヘアー。
臨也と同様に何も映さないかのような漆黒だ。
前髪を目と同じ真っ赤なヘアピンをしていて、よく映える。

そうだ、臨也と違う点。
こいつはアイツと違って良い意味でコロコロと表情が変わる。
楽しければ本当に楽しく笑うし、起こっていれば頬を膨らませて怒る。

それと、

「あーもう、つまんないですー…だから嫌いなんですよ。人間っ!」

“人”が嫌いだった。

「手前も人間だろが」
「そんな事、シズちゃんに言われなくてもわかってますよーっだ!だから自分もだいきらい、です。すきなのはあ…」

『臨也くんだけです』

にこり、と不敵に笑うその仕草は臨也そっくりだ。
両手人差し指には臨也と同じ指輪をし、臨也と同じナイフを使って、丈は短いが臨也と同じコートを羽織るコイツ。
甘楽は臨也に依存している。
逆に臨也は甘楽に依存していない。

(双子の妹でも、人間の定義の中ってか)

シッシッと上から退くように指示するが、甘楽はぷくーっと頬を膨らませる。

「早く、どけ」
「嫌ですよーっ!」
「っ!」

甘楽は袖から隠し持っていたナイフを取りだし、一閃してきやがった。
馬乗りになって男に斬りかかる女って…。
俺はとっさに手首を握って静止させる。
あまり力を入れると折れてしまう気がして、気が気ではない。
流石に妹を傷つけたら臨也に何を言われるか。

「っ…シズちゃんきらいですー」
「そこは臨也と同じ事を言うんだな、手前は」

「なにがですか…?」
「俺が嫌いなんだろ?臨也も俺が嫌いだ」

すると甘楽は突然ナイフを持つ手の力を緩め、俺の上から退いた。

「?…かん、」


「臨也くんはシズちゃんが大好きです。だから私はシズちゃんが嫌いなんですよ?私と臨也くんは絶対に交わらない。好みも嫌いなものも、絶対に。それが私たち双子です。…臨也くんがシズちゃんの事をすきなら、私はシズちゃんを嫌いになれる」

甘楽が俺に好意を寄せている事は、高校の時から気づいていた。
明るく話しかけ、笑っていたコイツ。
今のようにナイフを向けてくる事はなかった。
その役は臨也だったから。

「臨也くんさえ居れば、私は生きていけるんですーっ☆臨也くん、ラブ!」

びしりとこちらを(ウィンク付きで)指差しながら甘楽は笑った。

「あっ、と…その、」
「なんですかあーシズちゃん。はっきりしない俺は嫌われますよお?」
「うっせえよ、…その、ありがとな」

「なにが?」


第三者の声がふってきた。
(不覚にも)びくりと俺は肩を震わせる。
玄関に続く廊下に目をやると、ビニール袋を手に持った臨也が頭の上にクエッションマークでも見えるかのような仕草でそのに居た。
(やめろその頭傾けるの、不覚にも可愛いなんざ…思ってねえよ!)

「臨也くん!お帰りなさあーっい!」
「ただいま、甘楽。シズちゃんに変なことされなかった?」
「変なことってなんだよ…」
「聞いてください臨也くん!私…シズちゃんが無理やり押し倒してきて…」
「押し倒してきたのは手前だろ!」


臨也がふわりと笑った、
その笑顔で俺は、多分甘楽もつられて笑ってるはずだ。

たとえ臨也に似ていても、俺が好きなのは、折原臨也なのだ。

「認めたくねえけどな、」


交わらないいと、

――…交わった、想い



(20100313)

静臨前提で静←甘楽とかやってみた。
需要があるかは…ないですよね…
最近甘楽ちゃんがすきです。
勝手に甘楽ちゃんを妄想するのがすき!
個人的にはニーソにパンプスですね!絶対領域!



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