短編小説ログ | ナノ


※静雄×臨也と津軽×サイケとサイケ×臨也
※裏注意





「嘘っ! 冗談だよね、シズちゃ、ッ!」
「なに必死になってんだ。」
「当たり前だろ!」


静雄は胸板を押す臨也の手を握る。バタつかせる足を肩に乗っけてしまえば、踵が背中をドンドンと叩くだけで大した意味は無くなった。臨也は一層激しく抵抗の色を見せるが、静雄は難なくそれをかわす。チッ、と臨也が悔しそうに大きく舌打ちをすると、流石の静雄も耐えていた怒りを露にする。まずい、と臨也が身を捩りソファから這い出ようとするのも空しく、肩を捕まれ、ぐんっと静雄の顔が近づいたと思った矢先、Vネックをたくし上げられぬるりとした舌の感覚が肌を巡った。


「ひゃ、ちょ!」
「残念だけどなあ、臨也クンよォ。多数決で手前は負けてんだよ。」
「いつ多数決にしようって言ったんだよ! うぁ、やだ、舐めん、なッ」
「サイケと津軽だってやる気満々だぜ?」
「サイケに変な事教えてんじゃねえよ!」

「ふえ? 変な事なの?」


鼻から抜ける甘い音はサイケと津軽のディープキス。いつの間に覚えたんだと臨也は絶句するが、サイケはけろりと言い放つ。津軽が好きなのはサイケもすきです!

津軽は満足そうに、だがそわそわとした面持ちでまたサイケの肩をつかみちゅ、ちゅ、と首筋にキスを落としていった。下から見上げる形で、その行為を見せつけられる臨也は居たたまれなくなり、逃げようとするも自身の目の前には静雄の姿。な? と、してやったりな顔つきで静雄はニヤリと口元を歪ませていた。ああ、嵌められた! 臨也がキッと睨むよりも早くにまた静雄は臨也の少し勃ち上がった胸の突起にしゃぶりついた。












「ふ、ぁあ! も、だめぇ、……も、んあっ!」
「は、声抑えんのはやめたのか?」
「ひ、ぁく、そ…ッ!」


ソファーに押し倒し、正常位のままで静雄はずんずんと臨也を突き上げ中を犯していく。始めこそは声を聴かれなく無い一心で歯を食い縛ったり、指を噛んだりと努力を見せたが快楽に溺れてしまえば、そんなプライドは薄い紙のように簡単に散っていった。

静雄は細い臨也の腰を掴み、ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜるように律動を繰り返す。ひっきりなしに洩れる臨也の甘い声。少し前までは虚勢を貼り、必死に耐えていたのが嘘のようなその姿に静雄は沸き上がるぐちゃぐちゃにしてやりたいという思いと愛しいと思う感情が葛藤を始めていた。

くそ、と苦しそうに静雄が小さく声を洩らすと臨也に小さな影がかかった。


「ふへ、いざや、可愛、んッひゃ!」
「サイケはこっちに集中、だろ?」
「へへ、わかってりゅ、よ、つがる、ぁ!」


ソファーに片足を乗せ、丁度向かい合い、臨也を見下ろすような体制でバックから突かれるサイケもとても淫らだった。突かれる度に揺れる桃色のコード。荒い息に白い肌が熱に侵され、コードと同じ桃色に染まっていく。津軽もまたサイケの細い腰に手をかけ、ぐんっ、と突き上げた。

同じ振動で、同じ黒髪が揺れる。目の前で同じ顔の、快楽に溺れている表情。それはまさに鏡を覗いているかのような錯覚にさせた。同じ顔が同じ声で、セックスをしている。どくり、と強く心臓が脈打ったかと思えば、臨也はきゅっ、と中にある静雄の性器を締め付けていた。


(恥ずかしい、恥ずかしい! 死ぬ!)


ぎゅ、と瞳を瞑り生理的な涙が目尻に溜まるのがわかる。静雄の締め付けすぎた、と唸る声にハッとするが自身でどうこうできるものではない。むしろ締め付けていると言われ一層熱が顔に集まるのを感じた。


「手前、締めすぎ…!」
「そんなのっ、わかん、な、ァ、」


一種のパニック状態だといっていい。最奥部を突かれ反射的に出る嬌声。それがすぐ近くでもうひとつ聞こえる。どちらの声が自分のかがわからない。くらくらする。
涙で潤む桃色の瞳を揺られる中でぼんやりと臨也は見つめていると、急に視界いっぱいにそれが広がった。すると額に唇の感触。キスをされたのだと理解した時には、今度は口を塞がれていた。


「ふぅ、…んっ、サイ、」
「ん、いざや、…ふ、ぁ、」


ぴちゃぴちゃと唾液を絡ませ、サイケは濃厚なキスを迫る。臨也は固く口を閉ざし舌の侵入を拒むが、静雄がタイミング良く臨也のイイ所を突けば、あァっ! という嬌声と共に唇が開かれる。上唇から吸い、逃げる舌を絡めて吸い上げる。サイケは津軽から教わった技を臨也に愛を込めて行った。


「あ、やべ…すげぇイイ…、」
「サイケ、可愛い…、」


目の前で愛しい黒髪の子達が織り成す艶やかなキスシーンは、津軽と静雄を興奮させるには十分だった。きゅうきゅうと肉壁を締め付けるサイケと臨也に、ぶるりと身を震わせ律動を早めていく。


「ゃっ! つがるッ、激し、はげしい、よぉっ!」
「ちょ、と! シズちゃ、も、無理だってぇ、やぁッ!」


嬌声をあげる2人は隣り合わせに頭をソファーへ預け、掴みにくいソファーの革に必死に指をかけた。耳につく甘い声、つがる、シズちゃんと呼ぶその声に、本人である津軽と静雄は応えるように一層強く腰を打ち付けた。


「出すぞ、臨也…ッ、」
「サイ、ケ、…!」

「ひッ、ア、―――…あああッ!!」
「イッちゃ、――…っ…ゃああッ!!」


そして一番奥に自身の欲望をどろりと吐き出す。熱いその感覚に身を捩り、サイケと臨也も共に果てた。
出された精液はVネックを汚し、ソファーを汚す。臨也はずるりと性器を抜かれ、中からいなくなる感覚にビクンッと痙攣してしまった。恥ずかしさに顔を赤らめながら、臨也は必死に息を整える。力無くだらりとソファーにサイケと臨也は身体を預けると、津軽と静雄が優しく額にへばりついた髪を払った。


「いざや、すごくかわいかった! ねっ津軽!」
「ああ、そうだな。もちろん、サイケも。」
「すっごい、気持ちよかった!」


えへへ、と臨也の頬に自身の頬を擦り寄せ、サイケは楽しそうだ。余韻につかるように津軽はサイケの手のひらにキスをひとつ落とす。それは好きだと言わんばかりのもので。見せつけてくれるな、と静雄は息をつく。静雄のお相手である臨也は片腕で顔を隠してしまって、何も言わない。


「臨也。」


そっと呼べば、ちらりと赤い瞳が覗く。行為の後のせいか潤む瞳にどきりとしながらその瞳に優しくキスをしようと近づく。拒否はされない。
ちゅ、と瞼にキスをすると、ふるりと睫毛が揺れた。


「今年の抱負、決めた。」


鼻と鼻がつく程の距離で臨也はぽつりと呟く。あ? と静雄が聞き返す言葉は荒々しい臨也からのキスで、飲み込まれてしまった。




「シズちゃんを殺す!」


今年こそ絶対に亡き者にする! 今この状況でまさかそんな物騒なセリフが飛び出てくるとは予想もせず、だがどこか臨也らしいそのセリフに静雄は喉を鳴らした。


(今年もよろしくなんて甘い関係、ヘドが出る!)
(いざや! 今年もよろしくお願いします! 津軽は永遠ね!)





(20110104)

姫始めでした!
新年関係なくなったけど気にしたら負け!
サイケと臨也が百合百合してて焦った。天使組と呼ぼう。

相変わらずの温いエロです…私の抱負は温いエロからの脱却にしようかな…。
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