短編小説ログ | ナノ



臨也のマンションに行くと、そこには学ランを来た臨也くんが居ました。


……………………は?








「うわあーシズちゃんなんか身長伸びてない?むっかつくなあ!見下ろしてんじゃねえよ」


気まぐれだった。
臨也のマンションに来たのは只の気まぐれで、アイツの顔をみて、コーヒー出させてくつろいだら適当に帰る…そんなつもりできたはずなのに。
押さなきゃキレるノミ蟲くんをを思って、いちいちインターフォンを押した。誉めてほしいな。

したらなんだ。

玄関から出てきたこの学ランのガキ。
上から下まで折原臨也にしか見えないこのガキは。
だがいつもの臨也より少し背が縮んだ気がするし、肩幅も若干…


「……………」
「何フリーズってんの?てかなにそのバーテン服。コスプレ?え、まさかバイト…な訳ないよねあの平和島静雄が」
「………臨、也か?」
「うわ、バカだバカだとは思ってたけどついに視覚までやられたんだ可哀想に…ざまぁないね!ハハッ!」

あーうん。うぜえ。
あのノミ蟲野郎だな、決定だ。
どうすればいいんだこの状況は。
殴らないようにするのに必死なんだが。俺は。
考えたくない。だが、可能性の話をしたら、だ。
俺はバカだから、こんなことしか思い付かん。

これは、昔の臨也なんじゃねえの?



* * *



ため息しか出ねえ。
あれからペラペラと喋り倒す臨也を引っ張って新羅の家に押し掛けた。
もちろんアポ無しに決まってんだろ。んな暇無かったんだ仕方ねえ。



「名前は?」
「折原臨也、…なあ新羅ケンカ売ってるの?買うよ?」
「売ってないし買わないで。…じゃあ年齢は」

「17」


「おい」
「何シズちゃん。顔怖いよ」
「17っつったか」
「そうだよ?シズちゃんだって新羅だってそうだ……あれえ……」

「気付くの遅えだろ」


俺も新羅も17のころから5年以上も歳月が過ぎ、身長だって体重だって肩幅だって見た目…はあんま変わってねえが、それなりに変化している。
だが目の前の臨也は、逆に退化っつーのか?
昔の臨也そのまんまだ。
あの、俺にケンカふっかけてきた折原臨也に。


「これは何かの怪奇現象かい?」
「俺が知るかよ」
「えー…じゃあシズちゃん達今いくつさ」
「23」
「うわっ無駄に歳くったね」
「殴られてえのか」
「ちょっと!僕の愛の巣でやめてよね!」


ああ、俺は昔こんなムカつくやつと殺り合ってたんだなあ…なぜ殺せなかった、俺。
それだけが悔しいな、くそっ。
まあ殺せなかったからこそ、今の俺と臨也との関係があんだけどよ。
昔の俺とアイツじゃ考えつきもしねえ関係だなあ、おい。


「つかシズちゃんさあ…大人しくなった?」
「はあ?」
「俺の顔みて有無を言わさず殴らなかったし」
「それだけ聞くとすごいDV男だね、静雄」
「ああ゛?」
「なんでもないですごめんなさい」

「まさか俺とシズちゃん、できちゃってたりして!嫌も嫌も好きのうち!」




「……………………ちっ」




「え、なに図星なの、……………うっそーん」


うぜえうぜえうぜえ!
なんなんだよこのノミ蟲野郎!
俺が臨也を好きで何が悪い!確かに昔は殺し合ってた…いや今でもやっけど…それでもなあ!
ああもう!断じてない!俺は顔を赤らめたりしてねえ!こっち見んなノミ蟲!


「捕捉しておくけど、臨也も結構静雄の事、すきだよ」

「うんそれは、知ってる。…………………だって俺はずっとシズちゃんの事、好きだからね」



あーもう。うぜえ。
俺はいつからコイツに好まれてたんだよ。
コクったのは俺だけどよ。
結局は俺なんかよりずっと前からお前は俺が好きだった?
んなの初耳だっつの。
あーあー。うぜえな!
だめだ、俺いまぜってえ顔赤い。だせえ。死にてぇ。


んな笑顔で俺を見んな。





好きだ、なんて口走りそうになんだろうが。




(20100403)

シズちゃん×高校生臨也とかやってみたかったけど不発に終わった…シズデレ書きたかったんだ。

私の本命、平和島静雄なの。
シズちゃん可愛すぎる

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