ダーリン好きにしないで

三成が肌を求めて来たのは、今世で再び逢い見えてからたった三日後の事だった。

「…もう、病は無いのだろう。」流石に性急過ぎると思わなかった訳ではない。ただ、その肩を押し返そうとした時に紡がれた言葉に心の臓がどきりと跳ねて。結局、伸ばした手が三成の背に回っただけだ。

病がうつるだの体調が優れぬだの、のらりくらり同衾を拒んでいた記憶が脳裏に蘇る。前世であれだけ我慢させていたのだから、では今の世では三成が求めるままに与えてやっても良いかもしれぬと安請け合いする程度には、吉継は三成を愛していたし甘やかしてやりたかった。
その結果、翌日は全く動けず学校を休む羽目になったとしても。

しかし、幾ら献身的な吉継と言っても流石に連日これでは身が持たない。結局、平日は二回まで、テストや身体測定の前は暫く禁止と大雑把に決まりを設けてその中で自由にすると言う結論で落ち着いた。
それでも、蜜のような時間はほぼ毎日のように訪れる。触れ合い、舐め合い、一つに混ざるその行為は、今までよりもずっとお互いを夢中にさせた。


「続きはまた明日よ、アス。」


この一見つれないような約束も、二人の気に入っている言葉の一つだ。
「今度」や「いつか」ではなく、明日と指定してしまえばそれは確かな約束の形を成し、たったの一日で再び愛しい相手と触れ合う事が出来る。

過去には決して出来なかった約束だったのに、今は平然とその小指を絡める事が出来た。
それがとても嬉しくて、またどちらともなく柔らかく表情を綻ばせる。