リクエスト2 | ナノ



「俺、愁が好きだ!!」

「翔、ありがとう」

「俺も、ハニーが好きだぜ」

「はいはいさんきゅ」

「私もあなたのことは好きですよ」

「ありがとな」

「僕もです!、愁ちゃんキュートですから!」

「お前のほうがかわいいよ・・・」

「お・・・俺も、好きだ」

「ありがとな、聖川」

「俺もー!!すきすき!大好きだよ!愁!」

「ん、ありがとう音也」




ん?結局だれがすきなんだって?
どうしてみんな聞いてくるんだよ・・・
きまってるだろ?




みんな平等!







「あ、愁先輩!!」

「ん?ああ、Aクラスの・・・」

「実は、ここ教わりたくて!」

「えっ?俺なんかでいいの・・・?」

「はい!!俺、愁先輩がいいんです!!///」

「え、なにこのこかわいい。よーし、お兄さんが教えてあげよう」







こんなやり取りを、あの後輩たちが見ているとは知らずに。






神宮寺レンの場合



俺がスタジオに向かって歩いていると、
レンがドアの前に立っていた。

いつもみたいに手を振りながら来るかと思えば
沈んだ顔をしてうつむいていた。



「レン?」


おれが声をかけると、
今気が付いたようで、はっとして
こっちを向いた。
どうしたのか聞いたら、
またうつむいて、今度は抱き着いてきた。

いつもはお高く気取っているレンがこんなのは
少しおかしい。

俺よりも背の高いレンの背中に手を
伸ばすと、絞り出したように口を開いた。


「昼間のは、・・誰だい?」

「・・・昼間?」

「かわいい感じの男と話していただろう・・・?」

「ああ、あれは楽譜のわからないとこをきかれただけで・・・」



すると今度はバッと離れたレン

一体なんなんだと顔を見れば、あのレンの顔が
真っ赤になっていた。



「・・・え?」

「・・・早とちりだった・・・かっこ悪いじゃないか、俺」




そんな顔のレンがかわいくて、思わず笑ってしまった。







聖川真斗の場合



レンと別れて、スタジオ内に入り、
今日教える後輩はだれだっけな
なんて確認していると、ノックが聞こえた。
返事をすると、入ってきたのは
聖川だった。

「遅れて申し訳ありません。」

「いや、俺も今きたところだから」

レッスンを始めると、
だんだんわかってきた。

なんだか今日の聖川はおかしい。


レッスンを中断すると、聖川は困ったような顔をした。




「どうした・・・?」

「いえ、続けてください。」

「・・・いつも敬語なんか使わないだろ、聖川」

「・・・すまない」

「なにがあったんだ?」

「俺の個人的な悩みだ、気にしないでくれ」

「それはできない。俺も指導者だからな!レッスンが進まない悩みはほおっておけないなあ」

「・・・」

「ほら、いってみろ」


「・・・恋人が、いるのか?」

「え、いない」

「!だが、今日昼間お前とクラスのやつが・・・!!」

「あれは、勉強を教えていただけだぞ・・・?」

「は・・・」

「レンといい、聖川といい、今日はなんなんだ」

「・・・あいつとは一緒にされたくない」

「まあそうすねんなって、さ、始めるぞ」


そういって俺は聖川の頭を軽くなでた。






一之瀬トキヤの場合



「愁さん誰ですかあの男は」

「へっ?」



聖川のレッスンが終わり、
スタジオから出ると、いきなりトキヤに
引っ張られ、誰も来ないような教室に連れてこられた。



そしてこのセリフである。

まったく今日はなんなんだ。



「だから、あれはただ勉強をだなあ」

「私以外の男に個人レッスンをするなんて許せません。」

「女ならいいのか」

「女性もだめです。」

「なんで許す許さないの話になるんだよ。」

「絶対許しませんよ。今から愁さんを拉致して監禁します。」

「こわ!!・・・何したら許してくれんの・・・」


「ここで脱いでくれたら許します。」

「却下」



忘れてた、こいつ、おれの前だと
いい男台無しだったんだ・・・



「・・・ス」

「ん?」

「キスしてくれたら、許します。」



そう、顔を真っ赤にするトキヤが
いつもみたいな変態ではなく、少し
かわいくみえて、



ちゅ



「これで許す?」

「っ!///」



思わずキスをしてしまった。

俺はホモじゃない。バイなんだ。


そう自分にいい聞かせ、固まるトキヤを置いて去った。






四ノ宮那月・来栖翔の場合



本日のレッスンも終わり、部屋に帰ると
なぜか部屋には翔と那月がいた。

「な、なんでお前らいるんだよ!!」

「わりい!!止めたんだけど、止まらなくて!!」

「愁ちゃんの部屋が見てみたかったんです〜」

「つうか・・・なんなんだよ・・・このラブリーな部屋は!!」



シンプルだったはずの俺の部屋は、
那月の浸食により、
ピヨちゃんのぬいぐるみやらなんやら
飾られまくっていた。




「翔・・・止めなかったんか・・?」

「わりい・・・ちょっと発作がー・・・」

「嘘をつけ!!ちょっとお前も楽しんでたんだろ!」


そういいながら、翔の首を絞める。
あ、もちろん手加減はしてる。


「いててて!しょうがねえだろ!むしゃくしゃしてたんだよ!」

「はあ?」


解放してやると、首を抑えつつ、
赤くなりつつ、しょぼしょぼと話し出した。



「なんか、別に俺は可愛いって言われてもうれしくなんかないし、むしろ嫌なんだけどよ・・・お前が、ほかのやつに、かわいいって言ってるの見て、・・・ちょっと・・・あああなんだよ!!こっちみんなばか!」



こんなかわいい翔は何年振りだろうかってくらい
可愛かった。


「何度でもいってやるよ、かわいいよ翔ちゃん。」

「いうな!そしてちゃん付けやめろ!!」



「愁ちゃん僕にもかまってくださいよー!」

「うっわあ!那月!いきなりとびつくな!」

「だって愁ちゃんが翔ちゃんばっかりかまうから・・・」

「はあ、これでいいだろ?ほら」




そして俺は思いっきり那月を抱きしめた。

すると那月は満足そうに抱きしめ返した。



その後、那月に殺害されそうになった俺を
翔が助けてくれて、そのまま那月をつれて帰って行った。






一十木音也の場合



「さてと、風呂入って寝るか・・・」



pppp・・・



不意にメールが入ったことに気づき
メールを確認すると
音也からだった。




〔今から屋上集合〕



一言だけ描かれた文面に、
疑問を抱きながら、
俺は押し早に屋上へむかった。




屋上へ行くと、
音也は少し暗い顔をして夜空を見ていた。



「音也」



そう呼ぶと、ゆっくりと
こっちを見て、悲しそうに笑った。



「今日さ、昼間クラスの奴と話してたよね?」

「今日は何回も言ったけど、あれは」

「勉強を教えてたんでしょ?知ってる。」

「じゃあなにを」


その瞬間、目の前は真っ暗になった。

音也に抱きしめられているんだと気づいた。



「俺以外に、トキヤとか、皆とたくさん話したでしょ」

「あれはあいつらから」

「愁は、」

「・・・音也・・・?」

「愁は俺のでしょ?」




その瞬間、音也に口をふさがれた。
ふさがれたものが、音也の唇だときづいたときには
もう遅く、深い口づけに代わっていた。



「ん・・・ふぅ・・・ぁ」

「・・・ん、好きだよ、愁」






それから何分立っただろう
ヘロヘロになるまでキスをされて
解放された時には腰が抜けて
座り込んでしまった





「どう?思い知った?」

「・・・はあ、はあ・・・このクソガキ・・・///」

「もう一回する?」

「すいませんでした。」












こうして、俺の長い長い一日は終止符が打たれた。









後日





「ねえ愁!俺たちの誰が一番好き!?」



「お前ら?全員好きだよ、大好きな後輩だよ」





皆平等!




黒狐様リクエストありがとうございました!!!
・・・黒也んがわからなくて・・・そして無駄に長くてすいませんでしったーーーー!!
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