私の好きな人は魔法使い
私の好きな人はとても臆病
私の好きな人は笑顔が素敵
私の好きな人は…
「おはよう、ソフィ」
「おはよう。よく眠れた?」
ソフィの呪いが解けてからしばらくたった。
今でもこの城にみんな一緒に暮らしている。
ソフィのことはみんな慕っているし、大好き。
もちろん、ハウルも。
「やぁ!みんな!おはよう!」
ハウルがリビングにやってくると、
ソフィの表情は明るくなる。
それから、そばに寄り抱きしめ合う。
私はそれを数ヶ月も見ているのだ。
もう、慣れた。
みんながいなくなり、部屋にはカルシファーと私だけになった。
「疲れちゃった」
「なんでハウルに伝えないんだよ」
「ハウルにはソフィがいるもん。言えないよ」
「それじゃあスッキリしないままだぜ?」
その言葉に、私はクスリと笑う。
「じゃあ、スッキリ出来ないから、私は死んでしまおうかな」
「はぁ!?」
「…冗談じゃないよ。本気。」
「…」
「辛いままでいたくない。そばに居ればいるほど好きになる。離れようとしても彼がそれを許さない。じゃあいっそ、死んでしまいたいの」
そこまで言うと、カルシファーは黙った。
「カルシファー?」
「拓」
「!…ハウル?」
後ろにはハウルがいて、すごく怖い顔をしていた。
「死にたいなんて、いうなよ」
「聞いてたの?」
「少しだけ。」
まだハウルは怖い顔をしている
「私、苦しいの。開放されたいの」
「…なにから」
「ハウルからだよ」
「え?」
キョトンとしたハウルに、
私はすかさず小さなキスをした。
それからニッコリ笑ってドアにむかった。
そしてダイヤルを黒にする。
「大好きだよ、ハウル」
ガチャリ
「!!拓ーー!!」
私は、まだ戦の傷跡が残る火の海へと飛び込んだ。
大好きだよ
死ぬなら
貴方の栄光と共に
最近ヤミしかかいてない!
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bkm