10 さよなら、恋と君




20XX年X月X日



春の陽気が頬をなでる
真昼間の青空には雲ひとつなく、もうすぐ夏が訪れるような暑さだ。

俺は今日も彼女の病室へ向かう。
病室には山田愁とかかれたプレート
そしてたくさんの管と機械につながれた彼女はベットに横たわっている

あれから1年もたった。

大怪我をした彼女は一命をとりとめはしたが
意識不明のまま時が流れている



その間、黒の組織は壊滅し、
俺の仕事にもひと段落が着いた




俺は毎日欠かさずここを訪れる
そして何度も何度も彼女のてを握り声をかける



組織にかかわっているかもしれない。
そういった容疑は当然かけられ
重要参考人として警察病院に入院させられている。

彼女を守るにもここが一番だからだ。




「明日も来るよ、愁。目が覚めたらつたえたいことがあるんだ」




だから、目を覚まして
そんな気持ちで今日も額にキスをして病室から出た。















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また、見知らぬ天井・・・



薄暗い部屋につきの光が差し込む中
わたしは目を覚ました

体中にはコードや機械がつながれている。

どういうことなんだろう。
あまり何も思い出すことができない


体につながれた機械をはずし、外へでようと扉に手をかけ
ふらふらとした足つきで転びながら
扉を開くと、外には二人の知らない警官がいて、
私をみて目を見開く。

するとすぐにあわてだし、一人はどこかに電話をかけ
もう一人は私を支えて声をかけてきた



「だ、大丈夫ですか?!」

「・・・ここ、は」

「大変だ!早く医者と降谷さんを!彼女が目をさましたぞ!」




すると警官にベットに戻された
そして少し待っててくださいといわれ、また病室に取り残される
お医者さんがきて私のようすをみて、大丈夫でしょう。
そういって去っていきまた私はここに一人になった。

その間、すこしづつ記憶が戻ってくる。

安室さんは無事なんだろうか。


そう思っていると走ってくるような足音が聞こえガラっと勢いよく病室のドアが開かれた。



「愁!!!」

「!・・・安室さ・・・」



名前をすべて言い終わる前に
彼に力いっぱい抱きしめられた。
どれくらい眠っていたのか、かたまった体がきしみ少し痛い。


「安室さん、痛いです」

「す、すまない」



ぱっと離した彼は前に見たときよりやつれているような気がして顔をしかめた



「安室さん、やせちゃいましたね・・・・」

「誰のせいだと思っているんだ、でも、本当に、よかった・・・」

「安室さん、泣き虫なんですね!」

「な、今は泣いていないだろう!それに、僕の、俺の名前は安室じゃないよ、」

「じゃあ、教えてください。」



するとまた抱きしめられる。
今度はやさしく、温かく、



「降谷零、です」

「降谷さん・・・」



すると私からはちょっとはなれ、代わりに手のひらでほっぺたを包んだ



「名前で呼んでくれないと、泣きますよ」

「ふふふ!ほんと、泣き虫!」



今度は私から彼に飛びつき、
頬に軽いキスをした
すると彼は目を真ん丸くした後頬を染めてヘラっと笑った

もうポーカーフェイスはやめたんですね







「帰ったらいろいろとまた教えてくださいね!零くん!」

「愁になら、喜んで」
















Cowboy's pain

あなたの痛みは、私の痛みだから










END






mae tugi

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