「さっきの誰だい?」
アジトに着いた途端、
私はマーモンに手をひかれ
私の知らない部屋にいた
知らない、ということは
幻術の中なのだろうここは
「さっきのって、部下よ部下」
「僕は知らない奴だったよ」
「知らないって…マーモン…」
マーモンの部下でもあるのに…もう…
「僕以外と喋ってた」
「そりゃあ喋るでしょうよ」
「僕以外に、笑ってた」
あれ、これって
「…マーモン、やきもち?」
…
……
「はあ?冗談はやめなよ!そんなわけないでしょ…!」
長い長い沈黙のあと、
真っ赤になったマーモンは
ぷんすかと大声をあげた
ああ、やっぱり
くすくす笑うとマーモンはまたプンプンする
「ごめんごめん、好きだよマーモン」
笑いながら、私と背丈の変わらない体を抱きしめると
すぐに背中にてが回る
「本当に反省してるのか疑問だね、」
「ふふ、反省してるよ?」
「また笑った…サイアク」
「ああ怒らないでよー」
少し呆れた顔で、ちょっと笑ったマーモンは、
歳の割りに、大人びていて
どきりとした。
「どうしたのさ」
「いや、マーモンかっこいいなって」
「今更だよ、馬鹿だね」
「酷いなあもう」
今度は私がぷんすかして、
ぎゅっとマーモンに抱きつくと
彼の顔が近づいてきた
「馬鹿な子ほど可愛いんだよ」
愉快な笑顔にキスをした
真っ赤になった、可愛い子
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