The plan fell through.






燃えていく屋敷をただ、ただ、見つめていた。






腕の中には私が愛したボス。












私は指にリングをはめて歩き出した。

後ろは振り向かず、ただ標的に向かって。























とある屋敷。
ここはスクレッツアファミリーのアジト。


そこに、私はいた。








「おい、お前何者だ?ボスは今忙しい。用があるなら日を追って」

「黙れ」

「あ?なんだおめえ」

「・・・ね」

「なんか言ったか?」

「やっちまおうぜこんなやつ」





門番が二人一斉に襲い掛かってくる。

けれど、遅い。
憎しみをまとった私にはあまりにも遅すぎた。




「ぐっ!!」




「やべえ、やべえよこいつ・・・!はやくボスに・・・!」




這いずる目の前の人間を阻むように、
私は頭に一発づつ、弾丸を撃ち込んだ。








「死ね」



















「ボス!何者かが屋敷に攻めてきたと情報が!」

「あ?なんだと?」

「見張りはすでに死亡!ほかの部隊が応援に向かいました!」

「敵は何人だ?!」

「ひ、一人です!」

「はあ?ひとり?」

「凄い戦闘力でつぎつ・・・ぎ・・・と・・・・・・」

「?!」




目の前に崩れ落ちる部下を
青ざめた顔で見る目の前の彼にそうつぶやく





「私の敵も、一人に減った。」





「貴様は、酒場にいた・・・そのリング、まさかローゼファミリーか?!」

「お前が私のファミリーをやったの?」

「あ、ああ!そうだ!すべては計画の通りに進行させたまで!まさかお前が一人残っていたとはおもわなかったけどな!」

「そう、お前が、私の家族を・・・」







ふつふつと怒りが湧き出る。


こんなやつに、こんな下劣なやつに、
ローゼは・・ボスは・・・!






「ゆるさない!!!」






























また、私は立ち尽くした。


目の前には、恐れの表情のまま硬直した首と、
転がる胴体と、大量のアカだけ。
















20歳の誕生日、私は初めて人を殺し、
家族を亡くし、ファミリーを一つ壊滅させた。







     【The plan fell through.】
その計画は失敗に終わった。










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