You do nothing





「キミは泣いてばかりだね」


どれくらい時間がたったかわからないほど
泣いたあと、うつむいた私の前に
綺麗な黒い靴を履いた男の人が立ちそういった。



見上げると短髪の鋭い目をした男性。



「・・・ほっといて、ください」

「そうしたいけど、それはできない」



そういって私の前にしゃがみ
私と目線を合わせた彼の目はどこか冷たかった。



「僕らのボスの命令だからね。君を連れて来いって」

「・・・沢田、綱吉?」

「そう、ほら、行くよ」



腕を掴まれ 立たされると
ほぼ乱暴に私を引っ張って
沢田綱吉のもとへと連れていかれた。



















「部屋で安静に、って言ったよね?なんで出歩いてたの?」



その眼は優しくて でも怒ってて
私は少し後ずさりした。



「まあツナ、落ち着けって!コイツもおびえてるし、な?」

「おいコラ野球バカ!10代目に口答えすんじゃねえ!」

「ねえ、僕はそろそろ任務に戻ってもいいかな」

「あ、はい!ありがとうございました雲雀さん!」




雲雀と呼ばれた人は私をまた見ると、またね と声をかけて
どこかへ行ってしまった。





「で、話を戻すけど、どうして出ていったの?」

「・・・ここにはいられない、から」

「どうして?」

「私は、復習を・・・!」

「それには及ばない、って話したよね。残党はボンゴレが片づけた。」

「・・・っ、じゃあ!私はどうしたらいいの?!家族も奪われて、家もなくして、これから、どうした・・・ら・・・っ」




「ここに、いればいい」




「・・・は?」



「10代目?!何をおっしゃっていいるんですか!」

「はは!いいんじゃねーの?」

「山本!お前まで!」



「屋敷の部屋は余っているし、自由に使ってくれていいよ」

「な、何を言ってるの?そもそも私はあなた達の屋敷においてもらう理由なんて」

「寂しい」

「え?」



「寂しい気持ちは、凄くわかるから」



そういった彼の目はどこか遠くを映しているようで
私にはよくわからなかった。




「それに、どうせここを出ても死ぬつもりだったんだろ?そんなのだめだよ。ぜったい、だめ」

「10代目・・・」

「ツナ・・・」




「ね?」





そんな彼の笑顔に、私はうなづくことしかできなかった

ただ、なんだかあたたかくて 優しくて
こんな涙が流れたのは 嘘じゃないはず







   【You do nothing but cry.】
君は泣いてばかりいるね










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