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ひっく。あまりに止まる気配を見せないしゃっくりに筋肉が痛くな…ひっく、ってきた。確かしゃっくりって、何かの筋肉がひっく…痙攣起こしているかなんかなんだっけ、…っく。そんなのはどうでもいい。


「要は驚かせればいいんだろ…」

「会長、主旨ズレてますよ」

「一樹会長、何か案あるのですか」

「いや、ない」


会長が顎に手をやり、ひっく、考えてる素振りを見せたと思えば、キッパリ言った。ひっく、なんなのこの会長。最早呆れて声も出ない。副会長が深いため息をつく。

いい加減寄り道ひっく…はやめて、保健室に行きたい。生徒会の人が色々考えてくれるのは…ひっく、嬉しいけどね。正直まともに話が進まない。なんか色々疲れひっく、たし。そろそろ筋肉もつりそうだ。
ひっく…うん、それに本題がズレてきている。どう驚かそうかって、驚くことが目的じゃないです、皆さん。本人の前でどうひっく、驚かそうか話してたら意味ないですし。

このままじゃ、埒がひっく…開かない。仕方ないので生徒会の皆さんにひっく、頭を下げてお礼を言い、保健室へ向かうことにした。


「待て」


保健室へ向かおうと横を通り過ぎようとした時、会長がひっく…呼び止めた。なんだ、と振り返る暇が無かった。
首とお腹に回った手と背中に感じるひっく…温かさ。目の前の月子先輩と天羽…ひっく、が目を見開く。なに、ひっく、このしゃっくりで台無しの驚き感。
それでも私は息を飲んで、驚いていた。


「好きだ!!」

「え、あああ、かい…ちょ」

「…鍋が」

「…ひっく」


あー、やっぱ止まらないかと腕を離した会長の頭を殴る。ひっく、痛いと叫ぶがそんなの知らん。

…不覚にも驚いて、ときめいた。
なのに後半ひっく、台無し。ああもう、すごい雰囲気打ち壊されてた。しかもひっく、しゃっくり止まってないし。
こんなに、ひっく…心臓ドキドキしてるのに。どういうことだ!
なんか色々無駄にひっく、した気分。
驚いたかと聞いてくる天羽がウザイ。副会長のひっく…哀れみ含んだ視線が痛い。月子先輩の苦笑が悲しい。
…顔が赤い自分が憎い。


「会長の鍋への愛なん…っく、て知りません!」


しゃっくりパニック
‐後ろから抱きつき愛を叫ぶ‐







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