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…ひっく


「しゃっくりが止まらない?」

「それはまた地味に災難ですね」


ある日、私は昼休み後から止まらないしゃっくりに襲われていた。ひっく、放課後まで止まらなくて星月先生なら止めか…ひっく、止め方知ってひっく、知っているだろうかと保健室に向かっていたら、ひっく、見回りをしていただろう生徒会3人にひっく、会った。あぁ、しゃっ…っく、りが邪魔で上手く解説が出来ないじゃないか、ひっく。
ってか副会長、私は貴方の言葉と態度がひっく、地味に傷付くんだが。


「ぬははー、そういう事なら俺に任せるのだ!」

「え、翼?っておい、お前どこ行…」

「行ってしまいましたね。」


天羽が突然、何かひ…っく、閃いたように叫ぶとどこかへ行く走り去って行った。この後が若干、ひっく予測出来るから怖い。止める暇なく走り去った天羽を呆然と見送…ひっく、見送る会長とため息を吐く副会長。…ひっく、ひっく。あぁ、しゃっくりが2回続いた。嫌な予感。ひっく、なんか爆発物作らなきゃいいけど…。

そして少し会長達と雑談をしていると、なにやら大きな箱を抱えた天羽が現れた。


「…ひっく天羽、ナニコレ」

「ヒック天羽?なんかのあだ名みたいだな」

「もー、ぬいぬいは黙ってて。じゃーん、聞いて驚け!これはしゃっくりを止めるための翼特製ビックリぬいぬい箱なのだー」

「…何、爆発で私をひっく、驚かせたいの?」

「違う、爆発はしない!」

「爆発はって翼くん、ここはラボじゃないので物を壊されたら困ります。」

「つか、2人共俺の名前に突っ込めよ」


天羽が私に渡してひっく…きたのは、大きな箱。中でぼこぼこと何かが動いている。と言うか先にビックリ箱だってひっく、ネタバラししたら意味無いよね、ひっく、天羽が早く開けろと言うから箱に手をかけた。あぁ、爆発ひっく、しませんように。



パカッ

びょーーん!



「「「…………………………」」」

『くぉら、だーれがオヤジだ!月子、不味いお茶を入れてくれー。』

「…これ、もしかして俺か?」


飛び出してきたのは、会長の声で話す人形。ど…ひっく、うやら会長らしい。あぁ、しゃっくり止まってないじゃないか、ひっく。それにしても、なんともお粗末な顔だ。へのへのもへじじゃないか。


「あれっ、なんでビックリしないのだ?しゃっくり止まってないぞ」

「先にビックリ箱だって言ったの翼くんでしょう」

「………はっ!しまった、先に言ったら意味無いのだー」



気付いて無かったのか。先に言われて驚けない私を余所に頭を抱えてへこむ天羽。そもそもあの流れで箱をひっく、渡されたら予測できるだろう。

今だに1人でびよんびよんと飛び出し、喋る会長。なんだかシュールでウザイな。そう思っていたら副会長がデコピンをした。うわ、ひっく…めっちゃ痛そうな音したよ。今のが一番ビックリしたよ。副会長、会長に怨みがあるんじゃないのか?会長青ざめてるし。


「それより、翼。あれがなんで俺なんだよ。」

「それはぬいぬいの顔が一番楽だからなのだ。書記は可愛くしなきゃだし、そらそらは怖い笑顔の再現が大変なんだぞ!」

「おいコラ、どーゆー意味だ」

「翼くん?怖い笑顔とは、僕に対するイメージでしょうか?」

「こっ、黒板!?ぬわー、そらそらごめんちゃいー」


ひっく、私を放って騒ぎだした生徒会メンバー。誰か…ひっく、誰か私のしゃっくりを止めてください。




…バチバチッ


「「「「!?」」」」



しゃっくりパニック
‐ビックリ箱をプレゼント‐


Thanks 雲の空耳と独り言+α





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