19 「えー、編入生を紹介します。家の都合で今日から新しく星詠み科の仲間になる女の子だ。名字、入ってこい。………名字?」 こういう二次元世界の大半は屋上というものが進化している。私は階段をひたすら上がって見つけた屋上に足を踏み入れた。が、何か間違ってる気がした。屋上…?そこは屋上らしくない緑があり、呆気に取られた。よく地球温暖化がどうのこうのでビルの屋上に芝生を植えたりするのを聞くけど、まさかそれをやっている学校まであるとは。何でもありな世界に圧倒してしまった。 緑の上に寝転び、窮屈なスカーフを取ってボタンを開ける。なんでこんなでかいスカーフなんだ。 「やっぱここに来たな」 突然太陽の光が遮られ暗くなったと思ったら、いきなりそう声を掛けられた。逆光で誰かは見えない。起き上がるとそこには銀髪が。まさか自分から会いに来てくれるとは思って無かったから後退りをしてしまった。 「サボりは良くないぞ」 「お前もだろうが」 「俺は名前が此処に来るのが視えたから待ってたんだよ」 「視えた?」 「あれ、知らないのか?俺も星詠み科だ」 隣に座りながら説明をしてくれた。どうやら同じクラスらしい、めんどくさい。そして私の名前を知っているのも星詠みらしい。拾ったのはたまたまらしいが。 よくよく見ると銀髪はネクタイをしていなかった。私が借りっぱなしだったからだ。思い出して袋から取り出す。星月先生が洗濯してくれたはずだって返したらはずかよと苦笑していた。 ネクタイを締めながら銀髪は私にサボった理由を聞いてくる。私は怠いと一言返した。 職員室で聞いてたが本当に女子は私と2年生の2人らしく、教室に案内されるまでに擦れ違う生徒全員が私を珍しそうな視線で見てきた。自意識過剰とかの問題ではなく、ヒソヒソ話されたりとにかく不快だ。これからこんな生活が続くのかと思うとうんざりする。だから担任が教室に入って私から目を離した隙に脱走。今に至る。 ホームルーム終了のチャイムが鳴った。銀髪は腰を上げると私に向かい合う。 「よし、取り敢えず俺はお前を教室まで連行する」 「え、やだ」 「異論は認めねぇ、ほら立て」 銀髪は私の腕を引っ掴むと無理矢理立たせた。そしてサンドイッチが入っている袋を持ち笑う。 「俺は不知火一樹だ。よろしくな名前」 そう彼は言って教室まで私を引っ張って行った。途中、聞かれた事は 「この袋なんだ?」 「星月先生に押し付けられた。けど私マヨネーズと卵サンド嫌いだから食べていいよ」 「…………」 ← |