「キスしてフラウー!」
「ぶっ!!」
突如叫び突進してきたテイトを
否応なしに身体で受け止めたフラウは
真っ赤な顔をしてへにゃりと笑う彼を見て
酔っているとわかっていながらも
動揺を隠せないでいた。
「て、テイト…おま、酔ってるよ…な?!」
「酔ってるー!」
なにが可笑しいのかケタケタと笑いつつ
早く早くとおねだりする仕種は
どうにも可愛くて仕方ない。
「キスして後で怒ったりしないか?」
「しないよー」
「酔い醒めた後にセクハラだと叫び回らないか?」
「叫ばなーい」
「本気でキスしていいんだな?」
「だからしてって言っ、んんんっ!!」
両頬を挟んで容赦なく咥内を貪る。
息継ぎも出来ないくらいに舌を絡ませ
顎を伝う唾液を舌で追ってまた口付けて。
永遠に感じるような激しいキスに
思考回路を遮断されたテイトは
腰が砕けたように解放後、その場に崩れ落ちた
「はっ、はぁっ…」
「テイト、お前…」
「…酔ってないだろ…」
「っ…!!///」
口付けてわかった、酒気を感じぬ咥内。
「あ、あんな激しいの望んでなかったんだよっ!!」
「本気でするって言っただろが。」
ひょいっと軽々テイトを担ぎ上げ
フラウはスタスタと歩きはじめた。
もちろん抵抗はするが、そこは体格差。
がっしりと捕まれた体はどう足掻いても抜け出すことなど出来なかった。
「ちょっ、どこに連れて…」
「オレ様の部屋に決まってんだろ」
「なんで!」
「酔ったフリしなきゃ素直になれない子の調教」
「んなっ…!!!」
自業自得だ、と楽しそうに笑うと
抵抗の声はフラウの部屋に入るまで叫び響いた。
おしまい。