「なぁ、俺と付き合ってよ」
「無理」

何回言っても頷いてもらえない懇願を、今日もまた懲りずに始めてみる。


届くまであと何cm?


「だいたい何処からそんな発想が湧いてくるんだ」

相手ももう慣れたもので、本から顔を上げさえしない。
最初に言った時はすごく動揺していて可愛かったのに。

「だってコナンも俺のこと好きじゃん」
「…自信過剰な奴は嫌いだ」

耳が赤いのは脈ありの証。

「そりゃおまえのことだろ」

言い負かされたコナンが、本物の子供のようにムッと唇を尖らせる。その唇に触れたいんだって言ったら、君は驚いて逃げるだろうか。
嫌ではなく無理なのだと、返される理由は分かっている。コナンの心にはいつだって、幼馴染みの彼女が影を落としているから。
裏切ることなんてできない。その気持ちも分かる。だからってこの想いを押し殺すことはどうしても、できそうにない。
無茶ばっかり繰り返しては傷つく君を、一番そばで守る権利が欲しいんだ。守られるなんて嫌だと突っぱねられることは分かっているけれどもせめて。君の隣にいつでもいれる、そんな権利を俺にください。



END

また何となく浮かんできたやりとり。
2010.2.25


 
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