A.Hの夏唄をimage songとして。。。


離れ難い。

時間にすれば、既に10分以上は経過している。
若しくは、その倍以上。
ツクツクボウシが涼しさを呼び掛けて、夏の終盤を予感し、秋を呼び掛ける。
日が落ち、外灯も乏しいこの場所で、俺は君を放し難い。
腰を引き寄せ、背けようとする横顔を追い、重ねるは唇。
美しく艶を放っていたグロスは既に舐め取って仕舞い、柔く甘く、下唇も上唇も食んでは吸うことに至福を感じる。
逃げる舌先を噛んで、絡ませては俺の唾液を送り込み、君の喉奥に咀嚼されて仕舞えば良い。


「…も、………無…りぃ…っ」

「じゃないでしょ、xxxちゃん」


胸を押されても何のその。
呼吸を忘れた君が微かに口を開けば、空かさず舌を突っ込む。
絡めて絡めて、口の周りと言えば、どちらともない唾液で濡れている。
クチュリクチュリとまるで君の濡れる下半身、蜜壺に舌を這わせているような水音が耳を擽る。

滾る。
固くなる。
熱くなって仕舞う。
如何仕様も無く、下半身にクる。


つい10時間ちょい前までは、君の裸体を味わえていた事を思い出せば尚更だ。

「…っ、……」

「っ、と!大丈夫?xxxちゃん」


シャツに皺が寄る位に握り締められ、必死に空気を求める君が急に膝を崩す。
身長差がある為に必死に背伸びしていたのは承知していたが、まさかここまで持つとは。
変な所で俺に負担を掛けたくないとか気を遣っていたようで、攻めたキスの最中でもこう在るのだから、俺も未だ未だだなぁ…と、崩れて横に倒れ込む君を抱える。
俺の腕に細い手で掴まり、スッと見上げて来た顔に、片隅には置いていた理性が欠けて仕舞いそうだ。


「も、…ぅ、や…ぁ」

「キスが嫌?じゃあさ」


ヤらない------?


最後まで。
正直を言えば、既に俺の性器は勃起していて、君のナカに挿入し、ズクズクに乱したいと滾っているんだ。
それを主張しようと、もう一度抱き締め、耳を食む。
が、見詰めれば、潤ませた瞳を揺らし仕方無いじゃない、と言わんばかりに首を振る。
その振り方は一歩も退かず、俺の腕をそっと押して引き剥がして仕舞った。
急激に冷たい風が入り込み、折角温かかったのにな、と気持ちが急降下だ。

何だかばつが悪くなり、行き場を無くした左手を一度ポケットに突っ込み、如何したものかと右手は髪を掻き毟る。
確かに散々、君の身体も貪ったし、先程まで唇も堪能した。
けれど、足りない。

我儘だろうか。
漸く繋がった心と身体を、もっと欲しいと強請るのは、俺だけの我儘だろうか。
付き合える訳ではない。
それでも、確かに身体を重ねた時に、俺の頭を抱え込み、耳許で吐息混じりに呼ばれた名前に、告白を感じた。



「……明日…」

「ん?」

「明日も……あるわ」

「明日もあるの?」

「神永さんが…明日も私を…」

「明日もxxxちゃんにキス出来んの?抱いて良いの?」


消え入りそうな声で、俺の腕を両手で掴む。
君が俺の問い掛けに静かに頷くものだから、ギュッと心の端を掴まれてしまうじゃないか。
明日がある。
明日もある。
明日も君を抱き締めて、その唇を奪い、ナカに侵入しては乱して掻き回して良いのか。


「神永さんが望んでくださるなら…」

「xxxちゃん、俺に顔見せて?」

「や……」

「俺ね、きっとxxxちゃんが思ってるよりエロい事しか考えて無いよ。俺でぐっちゃぐちゃになれば良いってしか、最近は思って無い。俺の事だけ考えてれば良いんじゃねぇの?って。

つーか、足りない。もっともっとくれよ、って思うんだよ。もう、我慢したく無いからさ。全部ぶちまけて、xxxちゃんが俺だけ見てれば良いって思う。

望んで良いなら、欲に任せて望むよ?」


中途半端な望みだと思うなよ。
一時的にだなんて以っての他だ。
望んで望んで差し出されたって、それ以上に君を貪ってやる。
閉じ込めて、俺だけに甘やかされて、溺れて何も出来なくなっちまえば良いんだ。
ようやっと、この自分のままで君を望んでも同じ方向を向けるのだから。


「未だ、あの話しには……応えられなくても?」

「告白の返事?それは良いよ。関係性の名前は後付けで構わない。でも、俺から与えられる物はちゃんと受け取って欲しいと思う。一方的に、俺が身勝手にxxxちゃんに与えるけど、それは直球だからさ」

「………でも、」

「俺だと最後までエッチしても嫌悪感抱かなかったんだろ?それが答えで今は良いって。余り下手な考えすんなって。

一方的に望んで、勝手に貪らせて貰うさ。で、xxxちゃんは俺から与えて貰っとけば良い」


それで良くね?---

伏せた顔の君を再度、抱き締める。
戸惑いを顕に、君は口を開こうとするので、右手の人差し指をそっと押し当てた。
この構図は紳士的じゃなかろうか、俺。
自画自賛しながら、出来る限り優しくトーンを張る。


「謝る事はされてないよ?てかさー、明日から、新学期じゃん?生徒会始まるから、野郎ばっかに囲まれる訳よ、俺。三好とか実井は本当に手に負えないし。彼奴等、俺にばっかり八つ当たりしてくるし。xxxちゃんに癒して貰わねぇとやってらんないかもなー」


大袈裟に項垂れてみせれば、君は彷徨わせていた両腕を怖がりつつも、俺の腰に回しては抱き着いて来るではないか。
ちょっと予想外の展開で、目を見開けば、顔を胸に押し付けて俺を呼ぶ。

やっべ、擽ってェ---


「ね、xxxちゃん」


最後にも一回ちゅーしていい?、と強請れば、ふわり小さく微笑んでは目を瞑る君。
も一度、数分間、君の唇に食い付こう。
すげェ美味くて、優しい唇に。



fin…xxx
2016/09/18:UP

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