「サメラさん!」 「どうした、セオドア…ぎゃぁっ!」 平和なバロンに似つかない声が響いた。そんな声と、同時に世界初真っ暗になった。のまでは、記憶していたが。 いったいここは、なにがどうなんだ? サメラはうんうん。頭を唸らせた。 暗い何かに閉じこめられて、四肢の動きも封じ込められている。無詠唱で解除魔法を実行したが、狭すぎて身動きもとれやしない。 畜生。なにがどうなった。というんだ。 感覚的に運ばれている。と言うのは理解でき出来ているが、なにが。どう。まではよく解ってなかった。背中がいたい。むりやり押し込まれて、長い時間ここにいるのだろう。と判断できるが、私はどこに行こうとしているのだろうか。 もくもくと、時間の経過を待ったが、変化のない世界初で、腹時計が時間を教えてくれないので、どうしようもない。 時間が解らないまま、しばらく待ってみると、一端。立ち止まった。それから、ドンドン。とノックの音。それからまたガラガラ鳴る。 なにか、会話が聞こえる。会話が行ってるが解るが内容はあまり理解できていない。…聞いた覚えのある声だな。と思いつつも、何かを思い出しそうでやきもきしてきた。 かカインの誕生日が近いとか。そんな話をしたはずだが。なにを祝おうとしといたか。だったかな確か。 「誕生日?」 引っ掛かるキーワードを拾い上げ、サメラは眉をひそめた。がさり。と物色する音を聞いて、サメラはただ沈黙を守っていると、世界に光が灯って眼前に見知った青。 「…」 そして、また蓋が閉められて、黒の世界。ちょっとまてェ!怒声が飛んだ。待て。色々待て。 「目の前の伴侶を放置か!」 「う、動いた。」 偽物だと思ってたのか!まさか。怒鳴りつけてサメラは、無理やり箱を破り、這い出た。 「動いたじゃない、カイン。」 「そうですよ。お人形のように眠ってもらったサメラさんに失礼です」 「お前が主犯かセオドア!」 「ベオグラードさんがしましたっ」 「計画したのは、お前だろ!」 誕生日なんて祝ってやるものか。とサメラははっきり決めた瞬間であった。 かいたん! 悪夢再び。 (せっかく、母上にお願いして、着替えさせてもらったのに、嫌いですか?バニーガール)(これ、カインの使い回しだろう!)(はい、そうです)(ブカブカすぎるわ。)(立ち上がるな)(あ…こっちみるな) 前 戻 次 ×
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