俺と跳進!夜明けを告げる維新ライブ 2 





目の前でパァン!と破裂音が一つ。ふっと我に戻ると、三毛縞が俺の目の前で手を振っていた。

「ゆらぎさん、大丈夫かあ!」
「わぁ!みみみ三毛縞!?」
「二階から飛び降りてから反応が鈍かったんだけど、大丈夫そうだなあ!」

いや、お前なに考えてんだよ!と俺は三毛縞の胸ぐらを掴んで、揺さぶると、逃げるしかなかったからああいう手を使ったんだが、ゆらぎさんは高い所が嫌いだったんだなとカラカラ笑われた、いや普通そんなところから飛ぶ奴なんて、日々樹ぐらいしか知らねえよ。お前やっぱりどっかぶっ飛んでるよ。と指摘をすると、ゆらぎさんだって躍りに関したらぶっとんでる。とか言われて、論破された。畜生。俺はため息ついて頭を抱える。

「ささ、皆の衆!鬼龍殿と一緒に『おやつ』を拵えてきたので、存分に召し上がるが良い。」
「ん?どうした青葉。」
「何でもねえよ。」
「ははっ、話しながら摘まめるもんを、と思ったら凝りすぎちまった。待たせて悪かったな。お前ら」
「大丈夫!青い先輩のお兄さんも今さっき回復したところ!」

鬼龍に神崎、氷鷹に明星、転校生と三毛縞。と奇妙な面子が一つの机を囲んでいるこの図柄になってるのが全くもって意味がわからない。なんんでこうなってるんだ?と問いかけるが、ややこしくなるから全部終わってからな。と鬼龍に言われる。まあ説明してくれるならなんでもいいんだけど。ぶーたれつつ俺は目の前の菓子を口にいれる。うめえ。

「ははは!良妻賢母!やっぱり手先が器用だよなあ。紅朗さん?お菓子作りもお手のものかあ!」
「あぁ?意外と古くせえ価値観で生きてんだな。」

うちは父ちゃんが仕事で忙しいからあんまり料理できなくてさ、と話し出すのを聞きながら、俺はこいつらって、そんなになかいいのか?と思いながらも、もそもそと紅茶を飲んだりしながら、回りを伺う。

「どんどん食え、あまり見栄えは良くねえけど、食えなくもねえだろ。」
「料理うまい奴てすげえよなぁ。」

俺はまともに料理も裁縫もどっちもは出来ないので、こういうところはホントに尊敬するよ。計画書通りに進めたりだとかは大得意だけど、ほんと日用スキルが皆無すぎる。美味しいものに対する嗅覚は良い方だと思ってるけど、実際は知らねえよな。神崎は菓子を手放しで誉めるので、俺はひたすら相づちをうっておく。なんか、変な感じ。

「ともあれ、話がごちゃついてるから整理すんぞ。そのためにこうして話し合いの場を設けたんだ。」三毛縞が絡むといつもそうだけどよ、振り回されるのもかんべんだからな」
「おや、ぜんぶ俺のせいみたいに言われるのは心外だなあ」
「いや、あたってるだろ。」

笑ってんじゃねえよ。と鬼龍が間接技を決める。綺麗に決まりすぎて、俺もおおっと感嘆の声を挙げて拍手をするぐらい。机をタップしながら俺に助けを求めてくるが俺は足が悪いので助けれませーん。と逃げて茶をすする。

「んっと、鬼龍先輩や青い先輩のお兄さんって、三毛縞…先輩と仲良い感じ?」
「俺は同じクラスだし、移動教室とかは足の絡みもあるから手伝って貰ったりする。馬鹿みたいに早いから怖いから、守沢に頼むことが多いかな」
「知人以上友達未満。って感じだな。こいつあんまり学校に来ねぇしな、実はあんまりよく知らねぇんだ。昨年度、何度か激突したりはしたけどよ。」

お互いあんまりよく知らないが興味があったので、今回俺は、紅朗さんと一緒に御輿を担ごうと思ったんだよなあ!と三毛縞。その御輿ってさっき言ってた奴か?と思いつつお菓子を租借。うん、旨い。

「その『御輿を担ぐ』の意味がわかんねえな。比喩表現か?俺は頭が悪ぃんだよ。分かりやすく具体的に言えよ。」
「まだその段階じゃないなあ」

そりゃ、満面の笑みで言われたら、関節技を決めたくなるのはわかるよ鬼龍。俺もちょっとイラッとしたもん。むしろ、よくやった。と言わんばかりに拍手をやりたい。ていうか、やってるが。

「ちゃんと決まってないんだって。メンバー集めるってきいてたけど、俺もそこまでしか聞いてないから、離してやれよ。」
「そうなんだなあ、俺はこれまで何度も同じように仲間を集めて仕事をしてきた『MaM』としての活動だなあ、颯馬さんも参加してくれた【藤祭】みたいなことを頻繁に行っている。」

あぁ、あの拉致な。あれもなんか、うっ頭が。ってなるけど、こいつ、ほんと人の集め方下手くそじゃねえか。内心野次りながら、平然とそ知らぬ顔を決め込む。俺は今回振り付け担当だし。こんだけ居れば別に俺は居なくても良いだろうに。なんか、話の論点がずれてきそうなきがしてるんだけど、折るのも忍びないので、そのまま光景を眺める。ちょっと空気の流れが悪くなってきた。五奇人がどうとか言い出して、流れが物騒になってくる。こんな空気ひさびさだなとか思いつつ、目の前の二年達がどう動くか俺は観察することにする。どうせ俺は今現在『ユニット』として動いてるわけでもないし。潰れたらそれまで、処刑台もないわけだが。



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