俺とリフレクション!ミラーライブ 3 





帰宅して、飯食って風呂と寝支度をほぼしてからココアを二つ持って俺たちは、思いっきり喧嘩した。結構俺がダメージ食らってるんだけど。やめてよ。喧嘩したので朝も起こす起こさないの論争になったので、もう今日、俺は始発で家を出た。知らん。あいつらに勝つなら数がいるんだよ。二対五は見栄えが良くないんだよ。まじで。
始発で家を出て、一通り楽曲の準備をしてから教室に入ると、天祥院がそこにいた。

「やあゆらぎ。喧嘩をしたんだって?」
「耳が早すぎくね?」
「朝からこっちに来てたよ。」
「そっか。」

めずらしいよね、きみたちがそんな風になるなんて、原因は?そこで詰まる。心当たりが一つじゃない。どこが原因かわからなくて、俺は詰まってから言葉を出す。

「心当たりは二つ。将来、アイドルじゃなくて振り付けで食っていけたらとは思ってるのと、今度二人で出るか。といってたライブを『臨時ユニット』制度使うか。っていう話をしたら。喧嘩した。」
「きみたちは子どもみたいだね。うっせ」

悪態付きながら椅子に座ると、何となくの空気を察したのか、瀬名がなに?兄弟で喧嘩したの?と寄ってきた。

「っていうか、振り付けだけって本気でいってんの?」
「結構本気。一番はアイドルやりながら。何だろうけどさ。」
「一番のファンじゃないか。ゆらぎのことはよく聞いてたよ?」
「まぁね。どっちもなんてできるような世界じゃないとは思ってるから、最終的に引退に近い生活じゃないかなぁ。」
「…へぇ。ねぇ、あとで話をしようか。授業も始まるし。昼休みにさ。生徒会室に来てよ。」
「ん。色々する話もあるからな。わかったいくよ。」

そうして約束を取り決めてると、先生がきだしたのでそっとポケットの中のスマホを開く。連絡はなかった。結構怒ってるかもしれないなぁ。とか思いながら、どこでどうするか。考える。とりあえず必要そうだから、天祥院に話をとおしておくか。とか考えながら、ノートにこれからやることをメモした。
ぼんやりと思考を回していると、ほらいくよ。と肩を叩かれた。どうやら考えすぎたらしい。やだねぇ。適当に返事をして天祥院の後を歩く。生徒会室に招かれて、天祥院に詳細を聞かれたので大体の一通りを説明した。
ライブに出ること、『Diana』のメンバーと対決のような感じなっているのでその図で打ち破っておきたい。そういうことを伝えると、天祥院は面白そうだね。僕も混ぜてほしいな。と言い出した。…こいつ大丈夫かよ。と思ったけど、『fine』の最近の活動を見て、何とかなるのだろう。と判断はする。困ったら蓮巳に投げればいいし。

「まじで。今から集めるところだったから全然問題はないよ。」
「あと葵たちに声かけて考えようかな。って思ってるけど。駄目だったら掲示板使いつつ声かけつつ考えてみるよ。」
「ねぇ、ゆらぎ。」
「なんだ?」

視線を手元のノートから天祥院に移すと、真面目な顔をしていた。ここから僕がはなしたいことなんだけども。この企画書をみてくれないかい?と一冊の企画書を渡された。簡素に複合機で印刷された感じの紙はクリップで止められていて、俺はそれをめくって目を通しだした。
夢ノ咲アイドルの総本山とも言っても過言ではない計画を作ろうとしている。規模がでかいなぁ。とこぼしながら一通り目を通した。

「…天祥院これはお前は俺に見せて、どうしたいんだ?」
「アイドルの総本山ってお前の考えなら?俺をどう使いたいのか聞いていいか?」
「勿論。そのために呼んだんだから。」
「ゆらぎ。きみを、裏方の頂点に据えたい。」

詳しいことを話そう。この総本山に4つのアイドル事務所を置く。アイドル事務所だけじゃ話はなりゆかない。専門スタッフとも置き換えてもらってもいい。マネージャー育成機関、ないし外部との折衝専門機関の頂点としてきみを迎えたい。

「きみのアイドルとしての才能も、裏方の才能もどちらも欲しいんだ。」
「へぇ。っていうことは、俺、お前の下につけっていうことか?」
「下はいやだなぁ。アイドルだし。並ぼうよ。ゆらぎ。同門の仲間だから」
「踊っていいのか?」

もちろん。思いがけない方向で俺の思考がフリーズする。返答に困ってると、ビルが出来たらしばらくはバタバタするだろうから、そのあとには、なるかもしれないけれど。アイドルは続けられるし、どうかな?もちろん君が望むなら卒業したメンバーだってこちらに招いたっていい。

「……あいつらを。」
「きみの『一閥』としての力をかってるんだよ。」
「それってさ。俺個人活動でも許される?そのビルで。ドリフェスのようなシステムはないんだよな?」

問いかけに天祥院は学院の外だからね。学院のルールがベースならダメだろうけど。大丈夫だよ。きみたちは仲が良かったとは思ってたんだけど。
小首をかしげながら、天祥院は過去の記憶を甦らせようとしていたのでそれを遮って俺はお前たちみたいな間柄だった。っていうだけさ。ビジネスライクなら幾分かましだったんだけどさ。

「そうだったんだね。まぁ、その話は今年中に返事がほしいな。」
「いいよ。飲んでやるよ。だからさ。年度末にソロライブをやる。その許可をお前の権限で俺のやることの手助けがほしい。」
「手助け?かい。」
「あいつらを。ぶっ潰して『Diana』を半永久的に停止状態に追い込みたい。」

俺の城を誰かになんて渡したくないんだよ。その為なら死んだっていい。俺はあいつらと差し違えてもいいから『Diana』を年度末で終わらせたい。俺の恩恵にすがらせた罪は俺自身で終わらせる。自分で築いたんだ。だから自分で壊すよ。入って轡を並べてやるから、卒業式前にライブを一つやらせてくれ。『Diana』を終わらせるために。

「こちらが手を出さなくても、ゆらぎならしっかり準備をするんだろう?」
「いざとなったら。でいいよ。その頃なら生徒会長だって代替わりしてるだろうし。さ」
「わかったよ。きみたち比較的頑固だよね」

そうでもないだろ。と笑い飛ばしながら、話を本筋に戻す。生徒会の監視役として蓮巳を手配してもらうことを絶対の条件に天祥院の加入を許可した。

「『apollo』だったよね。ならこっちは。『Helios』なんてどうだい?」
「前のときから思ってたけど、お前なまえのセンスないよな。」
「同じものをかぶせにいくから、面白いんだよ。ゆらぎ」
「まぁな。ぶつけられたんだ。ぶつけ返さなきゃな。」

今日葵たちに連絡を入れるから、一回顔合わせして打ち合わせして、依頼料の話をつけなきゃな。こぼすようにつぶやけば、そろそろ授業だから帰るよ。授業に出なきゃ『臨時ユニット』は許可しないからね。なんて言われた。もしかするとこっちのがつむぎくんよりか手強いかもしれない。



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