007 そんなこんなで、オールマイトの開始の号令を聞く。 私の、”個性”は配置。視界に写るものを移動させる”個性”。この”個性”にも弱点は三つ。 一つ目は地面や床に繋がるものに接してないと置けないこと。二つ目は重いものは近くに軽いものは遠くに置くことができる。三つ目は、自分は置けない。 今回は仮想の核兵器。つまるところハリボテであるのが幸運。酷く軽いのだ。二人が入ってくるのを確認してから私のいるフロアの壁。つまるところ、外壁に埋め込んで中から見えないように押く。そして、やってくるだろう爆豪と轟を待ち受けながら、考える。轟はコードネーム対相澤でいける。爆豪はどうしようか。部分相澤でやってやろう。 「かかってこい。ガキ大将がよぉ!」 敵になりきって、ガハハハ笑ってやると、物陰から轟が出てきた。最終目的である核がないことに一瞬驚きつつも、私を凍りつかせようとするのを指差して氷を轟の背後の天井と柱の交点に置く。手が条件か。と呟きが聞こえたが残念でしたーフェイクですー。と一人したりがお。ノーモーションで行けるが情報は出さないほうがいい。 そんなのと同時に足下のコンクリートを爆破して爆豪がやってくる。おい、お前さっき負けたから腹いせかよ。威力半端ねぇな!とか思ってしまう。爆豪の衝撃で浮き上がったコンクリートを指差して天井に置きなおす。天井と設置させたが単に触れてるだけなので、コンクリートの破片は天井から重力に任せて落下する。 爆豪が舌打ちひとつして、轟側に距離を詰める。あいつの個性はなんだ?と咄嗟の打ち合わせをしているのを適度に妨害しつつ、対相澤の準備を行う。 轟の個性は氷を出したり炎を使ったり。というのは先程の訓練で見た。爆豪は掌を使った爆発。氷の速度より置きなおす速度は反射神経に頼るのでいいが、疲れるは爆豪とのやりあいだ。なら、優先して無力化するならば。 「あいつ、指差したのを飛ばす…か?」 「終わったら答えてやるっての。打ち合わせなんてもうさせねぇぞ!」 「半分野郎行くぞ!」 宙に浮いてるコンクリート破片を粉々に砕きながら爆豪は私の方に突っ込む。轟が支援するように氷を展開する。飛び込んでくる爆豪に対象するまえに近くの壁を指差す。二人の視線が僅かに反れた。そのタイミングを狙って、フロアの床に掌を床に埋め込んだ。…下のフロアの天井に掌だけを外気に触れさせるようにして爆豪を置きなおす。轟の視界から消えた爆豪に反応して一瞬轟の反応が遅れた。 轟。隙あり!と叩き込むように近くの柱に轟を埋め込むように置きなおす。轟の顔と手足が柱から出て、なんだか可笑しい。確保テープを巻くよりも簡単な私にしか出来ない技。そう、これが対相澤の編入学試験で使った裏技だ。あのときは相澤を頭から地面に埋め込んで、やったのだ。 「勝負あり!沖方少女。二人を解放してくれるかね。」 「はーい。」 轟と爆豪を抜き直して、ビルを出る。百になに言われるんだろ?とか考えながらオールマイトのいる部屋に戻るのであった。なんか、二人の空気がなんとも言えないんだけど。とりあえず、私の勝ち―。 ←/back/→ ×
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