046 翌日朝教室に行くと、飯田がこっちを見た。沖方君無事だったか!感動したよ!と言い寄ってくるので、若干めんどくさいと思いながらも、昨日を思い出す。クリアした瞬間からあんまり憶えてない。なんか、吐いたような気はするが。あとは気が付いたら保健室だった。脳が揺さぶられた後だから、気をつけなさい。と言うが、まーコスチュームぼろっぼろよね。プロヒーローハンデありで二人と戦ったんだから。正直まだ本調子ではない。戦闘中におもいっきり能力使いすぎてめっちゃしんどい。 「最後、あんな大きなコンクリートを配置したんだ?」 「…えっと、最後のオールマイトのパンチで砂埃が吹き飛ばされた瞬間」 相澤の”個性”が使えないようにしていた砂埃や砂塵の隙間でねじ込んで、そこからは運任せだったと思う。コンクリートだけならオールマイトも一瞬ためらうだろうから、遠くに置いたし、大きなコンクリートなら相澤も一瞬タイムロスは生まれる。上から飛ぶにしてもだ。結構無意識で動いてた様子もあったので、補修かなぁ。とも思いつつ、自分の席に鞄を置く。 あれやこれやと議論していると、百や轟たちがやってきて、議論がもっと深くなっていく。近くで芦戸ちゃんたちが、泣きそうな顔で飛び込んでくるのでそっちをなだめるのに務める。能力の使い過ぎか昨日から、あまり調子が出ない。眠たい。とか思い会話をしてると予冷と共に相澤がやってくる。自分の席に腰を据えて、うとうとしながら会話を聞く。なんかよく解んないけれど、全員林間合宿に行くらしい。しらねぇ。瞼同士があいびきしてるのを堪えつつ、轟にこっそり掌を焼かれて目が覚めつつも、むり、本能にあらがえない。一瞬だけ寝かして。 今回の試験、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつ、どう課題と向き合うかを見るように動いた。でなければ、課題云々の前に積む奴ばかりだっただろうからな。 昨日の試験についての解説を行う。全く持って腑に落ちない。そもそも私の課題は何だったんだ、やる気か?やる気だろ?そうだろ??って今、本気でも思う。志望動機がとんでもなく雑多な私に対して、やる気を出させるためにオールマイトと相澤だったんだろうが…。 「追い込むためさ、そもそも林間合宿は強化合宿だ」 赤点取った奴こそ、ここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ。 あっけらかんという相澤に、ちょっといろいろ癇に障ったのは、私だけだろうか。百から、合宿のしおりをもらって、それを枕にして寝よう。いいじゃん。眠いんだよ。疲れたの。リカバリーガールに傷治してもらって余計に。 「佳英さん、明日買い物に行きますわよ。」 「んー百がいくなら。」 連絡入れておきますから、家に帰ってから見てくださいな。はい。沖方と八百万は親子か?沖方が子だな。 周りの声すらも無視して、うとうとしたまま、一日を過ごすのであった。 ←/back/→ ×
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