032 「失礼します、体験の沖方で…す。」 ノックをして返事があったので、そのまま入ると絶句した。…なんだこれ。沈黙した私に、それが派手に舌打ちをする。おいまて、お前は爆豪か?。声がでてしまってそれを聞いたのか。爆豪が舌打ちをする。やっぱり爆豪かと思っていると、爆豪の後ろにいるヒーローに、こら、と怒られている。 視線を上げると、ベストジーニストがやぁと挨拶をしながら爆豪の髪の毛を整えている。 私が選んだのは、ジーニストOFFICE。ナンバー4のヒーローベストジーニストがいる事務所だった。けれども、この眼前の衝撃に早くも腹筋がひきつれてきてる。 「そこで立ってずにはいりたまえ。」 「あ、はい。書類は先ほどお渡ししております。」 「わかった。…で、もうしわけないんですけれど。この構図は一体。」 髪の乱れは衣服の乱れだよタイトなジーンズで心身ともに引き締めるんだよ。君たちはコスチュームがあるから、それはそれでいいけれど。髪の毛だけは、ピッチリしてもらおうと思っている。というベストジーニストの言葉を全力で拒否し自分でやると主張する。8:2は勘弁してくれ。そんなふうにできてないし、しいて言うならパッツンにしてる方が好きだ。なんて言えない。髪の毛あとで処理します。っていうか、爆豪。ぜったい来るところ間違えたみたいな顔してるし、写真撮ってクラスに送りてぇ。よこしまなことを考えてたのがばれたのか、爆豪がこっちを睨みながら頭を爆発させていつもの通りに爆発頭をしてる。 「一週間、短い間ですがよろしくお願いします。」 「君のしばらくの間の部屋は外を出て右の突き当りの部屋だ。そこでいったん髪を整えてからこちらに来なさい。私はこの少年の髪の毛を整える。終わったら、仕事について話をしよう。」 「はぁ。わかりました。」 爆豪の殺されそうな視線を逃げるように外に出る。学校に出す報告書の初日の見出しは爆豪で間違いない。っていうか、これ以上ショックを与えるのは勘弁してくれなんて思いながら、荷物の中に入れていた洗顔用のピンと、仮纏めするようのゴムを使って私は髪の毛を編み込みながらまとめるのであった。 ←/back/→ ×
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