018
爆豪の選手宣誓が「俺が一位になる」なんて言うブーイングを喰らいながらも、切島絶対やると思った!と叫んでいる。いや、煩いよ。とか思いながらも、まー後々闇として葬らないように。と思いつつ、今年のビデオ保存しておこうと決める。何年か後にしかめっつらの爆豪が見られそうな気がする。…いや、あいつは変わらなさそうだよな。とも思うが。飯田、お前もブーイングの嵐に巻き込まれてるなよ。お前も品位落としてるぞ。とそっとつぶやく。

「早速第一種目行くわよ。毎年ここで多くのものが涙を飲むわ!」

…なんか、よけいなルビを聞いたような気がするが。聞き直すのも野暮だろう。早速っておおいよね、っていうか早速でもないよ。という麗日ちゃんと耳朗の突込みに近いボヤキを聞きながら、電光掲示板の文字がぐるぐる回る。なんか、どっかでドラムロールまで準備してるんだから、今回の主審18禁ヒーローミッドナイトは準備がいい。

「これ!!!障害物競走!」

…お、おう。なんか、本当に体育祭みたいだなぁ。と思いつつ、ルールを聞きながら対策を取る。何ができるだろう。コースを守りさえすれば何をしたって構わない。と言うのだから、大方”個性”の使用も許されてるのだろう。踏む、と考えながらも人をかき分けて先頭に近い場所を取る。4キロという距離を考えると速度も必要だろう。
スタート自体が最初のふるいなのかもしれないけれど、この”個性”なら何ら問題ない。周りを全部後ろにおけばいいのだから。ね。ミッドナイトの号令を聞いて、私は駆けだす。
氷の妨害を感じて、足止めされている人の肩を借りながら人の上を走る。すまんね、周りが本気だしてるんだもん。私も、頑張ろう。とか思うのは、私が周りに中てられてるんだろうか。

「佳英さん、先行きますわよ」
「大丈夫、すぐ追いつく。」

私の前を走り出していく百を見送って、走ると、峰田に機械がぶつかってった。おう・・・痛そうだな。グルグル飛んでいくのを。砂の山を置いて救いながらも、あたりを見回す。…お前らの入試にこんなのでてたの?…いや、私の入試ってこんなのあったっけ?最近受けたはずなんだけれど、正味お小遣い目的だったので覚えてないんだよな。
聴覚が、スタジアムで実況中のプレゼント・マイクの声を拾う。第一関門ロボ・インフェルノ。と。どうやって攻略しようかと考えあぐねていると、轟が氷を使ってロボを止めたようだ。じゃ、いっか。そこいこう。他人の物を借りたって問題ないね。コースの一部だもん、しかたないじゃん。
轟の後を追いかけるように走る。

「アイツがとめたぞ!!あの隙間だ!通れる!」
「やめとけ、不安定な体勢ん時に凍らしたから倒れるぞ」

轟の声を拾うか拾わないかの時に、ロボ・インフェルノの残骸が降り落ちた。大きな塊だが、避けて通るには時間がかかりすぎる。だろう。上でもいいんだけれど、上も誰かいるんだろう。

「じゃ、下でも通ろうか。」

地面に大きな穴をあけるように土をよそに置く、地面に刺さってる部分は、コースの外に置く、見えてる部分は全部移動できるのだからほんとこの”個性”便利だよね。と思いながら処理をかける。実況に耳を澄ませながら処理をしてると、爆豪が上を通ってるらしい、あいつの”個性”なら便利だよな。

「1−A沖方は下を行く―!道がないなら作ればいい、こいつはとんでもなくクレイジー!」
「通りたかったら通れば?」
「ヒーロー科が道を作ったぞー!」

…いや、ねぇ。自分が通りたかったから一人分しかあけてないけれどね。
第一関門をらくらくとクリア。


/back/

×