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広大な敷地に、遠くに滝と飛行機の模型とかたくさん見える。うわーと見回してると、集合と声がかかったので、そっちに集まる。
スペースヒーロー13号です、と名乗った先生は、水難事故土砂災害火事エトセトラエトセトラあらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。とつづける。

「その名もUSJ(嘘の災害や事故ルーム)です。」

まんまだな。っていうか、いいの?それ。と思いながらも、前ではしゃぐ麗日ちゃんたちを見る。視線を13号先生に向けると、相澤となにか話してるみたいで、打ち合わせをしてる様子だった。一言二言交わした後に、始める前に小言を…と言いながら指を立たせていく。増えてるよ、スペースヒーロー。増えてるよ。大丈夫かなぁ。と思いつつ、13号先生を見つめる。

「相澤さんの体力テストで、自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。」

この授業では心機一転!人命のために”個性”をどう活用するか学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰ってください。
ガラスドームの表情が、笑ったような気がした。それと同時に、背筋に何か冷たいものが走ったような気がした。なんだろう、首をかしげながら下を向く。と同時に、相澤の声が響く

「一かたまりになって動くな 13号!!生徒を守れ」

そんな言葉と同時に、相澤の向こう側で、黒い霧が生まれてなだれ込むように何かが出てきた。何か、でない。人だ。背筋が凍った。夏に近づこうとしてる季節なのに、寒くて仕方ない。「あれは敵だ!」と相澤が叫んだ。
校舎と離れた隔離空間にクラスが入る時間帯に来るのならば、それはひどく用意が整っている奇襲だ。ここにきて、敵が来るというならば、なにだろうかと思考を巡らせると簡単だった。平和の象徴への攻撃だ。緑谷くんが相澤を止めようと動いたが、相澤は13号先生に任せて、敵の中に駆けて行った。

「避難しますよ!」

その声に従って、集団の後ろを陣取る。攻撃はできなくても、逸らすことはできる。ブツブツつぶやく緑屋の背中を叩いて、急かすと、黒い靄が前に沸いた。相澤の手を逃れて飛んだやつだった。

「始めまして、我々は敵連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟。雄英高校に入らせていただいたのは平和の象徴に息絶えていただきたいと思ってのことでして。」

御高説をたまっている間に、周りを見回す、地面に埋めるほうが早いかもしれない。と思った瞬間に切島と爆豪が飛び出した。

「その前にオレ達にやられることは考えてなかった!?」
「危ない、危ない。そう、生徒と言えど優秀な金の卵。」

煙のような男が黒い靄を飛ばす。それと同時に”個性”を発動させて周りの靄を全部足元に置きなおしたが、靄は消えることなく私を飲み込んだ。そして、浮遊感。と落下。



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