「じゃあ今日はここまでにしようぜ!」
「はいっ!」
綱海さんはいつもオレの練習に付き合ってくれる。
「立向居ー、一緒に風呂入ろうぜ!」
「あ、はいっ!」
いつも可愛がってくれる、兄のような人。
「着替えは持ってきてないんですか?」
「あー悪ぃ、忘れてた!」
ちょっと抜けたところもあるけど優しく頼りになる。
ざぱん、と湯に浸かる。
湯船に浸かると、身体中の傷がしみる。
「身体のあちこちに傷が出来てるなぁ。」
傷を見ながら立向居は言った。
「なぁに。それだけ頑張ってる証拠だ。」
「綱海さん……」
「俺はお前が頑張ってるのを見てるから。」
そう言って綱海は立向居の頭をわしゃわしゃと撫でた。立向居は思わず、
「ありがとうございます!
お、お兄ちゃんっ!」
と言ってしまった。
「ん!?」
「あ!ご、ごめんなさい!」
慌てて謝る立向居に綱海は彼の頭を撫でた。
「ま、俺もお前を弟のように思ってるしな。」
「はい。」
「よし、じゃあ上がるか!」
「はいっ!」
違うんです。
違うんですよ、綱海さん。
本当はオレ、綱海さんの事……
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