セルカ「昔、ある城に白雪姫という大層美しい姫が住んでいました。」


リオ「♪〜♪♪〜♪〜〜♪〜」



セルカ「彼女の継母はとても恐ろしい人物で、自分が1番美しくないと気が済まない性格で、彼女はいつも鏡に向かって世界で1番美しいのは誰と尋ねていました。
鏡はお妃様だと答えていたので彼女は満足していました。

しかし、ある日のこと。
白雪姫の継母がいつものように鏡に尋ねました。」



魔女様「鏡よ鏡。
世界で1番美しいのは誰?」

ティーナ「それは、白雪姫です。」


魔女様「なんですって?
何故私じゃなくて白雪姫なのよ……許せないわ。」


セルカ「怒ったお妃は狩人を呼びだしました。」


魔女様「狩人よ。
白雪姫を森に連れて行き、殺しなさい。
そして彼女の心臓を持ち帰るのです。」

センゴク「はあ。でも…なぜ彼女を殺すのです?」

魔女様「決まってるじゃない!
私よりも美しいからよ!!」

センゴク「………分かりました。」




セルカ「狩人は、白雪姫を森へ連れて行きました。」


リオ「森は好きです。
自然の恵みがたくさんあるし釣りは出来るしキノコの仕掛けは」
センゴク「おとぎ話の世界だからリアルを持ち込むのはやめようかリオ。」

リオ「こほん、とにかく、森は好きです。」
センゴク「(やはり、彼女を殺すのは不憫だ……)白雪姫。」
リオ「何でしょうか?」

センゴク「……お逃げ下さい。
そして、城にはもどってはなりません。」
リオ「そんな……どうして?」
センゴク「私はお妃様よりあなたを殺すように命令されました。
しかし、私はあなたを殺すつもりはない。
ですから、あなたはお逃げ下さい。
城にもどれば、お妃様に殺されるでしょう。」

リオ「そんな……お母様が……


分かりました、ありがとうございます、狩人さん。」

センゴク「いえいえ。

……じゃ、代わりにこれを持って行きますか。」



セルカ「狩人は白雪姫を逃がし、お妃様に豚の心臓を差し出しました。」



センゴク「どうぞ、お妃様。」
魔女様「まあ、ありがとう。」



セルカ「そして、お妃様はその豚の心臓を塩茹でにして食べました。」


魔女様「これで、世界で1番美しいのは私よ!」






セルカ「一方、白雪姫は森の中で迷ってしまいました。」


リオ「困ったわ、道に迷ってしまった。」


セルカ「白雪姫は歩いていると、一件の家を見つけました。」

トントン  ガチャッ

リオ「すみません、どなたかいませんか?

……誰もいないのね。



あら、ベッドがあるわ。
ちょっと疲れたし、休ませてもらいましょう。」



セルカ「白雪姫は、その家のベッドに横になり、寝てしまいました。

しばらくしてそこへ、この家の住人である7人の小人達が帰って来ました。」



ガチャッ


イロハ「みんな、今日もお疲れ様。」

ミシェル「はっくしゅんっ!
….…はぁ、疲れたわ」

ユーリ「………眠い。」

シュミット「ねっ、眠いのかっ…////」

ニール「どこに照れる要素があるんだよ」

ロッド「まあまあ、怒らないで、ね?」

フェリシア「…………」




ユーリ「ん………?
知らない、人………いる……」


一同「だ、誰だ!!?」


リオ「ふわぁ……ん?
この家の人?」


セルカ「小人達はびっくり。
とても美しい人が、自分たちのベッドで寝ていたからです。」



リオ「勝手にお邪魔してごめんなさい。
私は白雪姫。
お母様に殺されそうになったところを逃がしてもらってここに来たの。
あなた達の名前は?」


イロハ「私はせんせいです。」

ニール「……俺はおこりんぼだ。」

ミシェル「私はくしゃみよ……はっくしゅん!!」

ユーリ「ふわわぁ…….私……ねぼすけ………眠い……」

シュミット「おっ、俺は……てっ、てれすけだ…////」

ロッド「ボクはごきげんだよーっ!!」

フェリシア「……………」

ロッド「この子はおとぼけ!
喋らないんだ、この子。
あ、しゃべれないわけじゃ無いよ?」


リオ「ふふふ……素敵な方達ね、よろしくね。
ね、そうだ。お掃除しましょ。
お掃除したら、ピカピカになりますよ」

イロハ「そうですね、いい考えです。
みなさん、掃除をしましょう。」

ミシェル「はっくしゅん!……掃除掃除!」

ユーリ「はたき……ほうき………ぞうきん………」




ニール「馬鹿だろこいつら。
……簡単に知らないやつと打ち解けやがって。」





セルカ「こうして、白雪姫は小人達と一緒に暮らすことになりました。

それはそれはとても楽しい毎日でした。」


イロハ「白雪姫、今日は花畑にでも行きましょう。
キレイな花がたくさんある場所があるのです。」

リオ「まあ、素敵。
ぜひ行きたいわ。」

ロッド「えへへーこっちだよ!」

フェリシア「………」(ぎゅっ)

リオ「……じゃあ手をつないで行こうか。」

フェリシア「…………!」(こくん)




セルカ「でも、そんな幸せな日々も長くは続きませんでした。

城のお妃様が再度、鏡に尋ねてしまったのです。」

魔女様「鏡よ鏡。
世界で1番美しいのは誰?」


ティーナ「それは、白雪姫です。」


魔女様「馬鹿な…そんなはず無いわ、確かに白雪姫は死んだはずよ」

ティーナ「白雪姫は生きています。」


魔女様「許せないわ、白雪姫…………」



セルカ「白雪姫が生きていることを知ったお妃様は、売人になりすまし、毒リンゴを持って白雪姫を訪ねることにしました。」






イロハ「それでは私達は出かけて来ますね。」

リオ「はい、分かりました。」

ニール「誰か来てもドアを開けるなよ。

……お前に何かあったら、困るからな。」

リオ「分かったわ、ありがとう。」


ロッド「おこりんぼったら、すっかり白雪姫に心開いたよね。

……じゃあ行ってくるね!」

リオ「いってらっしゃい!」







コンコンコン


魔女様「美しいお嬢さん。
どうか、ドアを開けて下さい。」

リオ「ごめんなさい。
開けることは出来ません、帰って下さい。」

魔女様「そうおっしゃらずに。
どうか開けて下さい。」

リオ「約束なんで、開けれませんわ。」

魔女様「安心して下さい。
私はただのリンゴ売りです。」

リオ「リンゴ売りですか…
それなら、少しだけですよ?」


セルカ「そういって、白雪姫はドアを開けてしまいました。」


魔女様「美しいお嬢さん、リンゴをおひとつどうぞ。」

リオ「まあ、美味しそうだわ。ありがとう。」

しゃくっ

リオ「…………………」


バタッ


魔女様「うふふふふ………

あはははっ、あーはっはっはっはっは!!

ついにやったわ!
白雪姫を殺したのよ!!」



セルカ「白雪姫は、渡された毒リンゴを食べて永遠の眠りについてしまいました。」




ミシェル「くしゅんっ! ただい……ま……」

ユーリ「………?  どうし………」


セルカ「小人達は倒れている白雪姫を見つけました。」


イロハ「白雪姫? 白雪姫!!」

ロッド「え……死んじゃったの……?」


セルカ「小人達がいくら名前を読んでも白雪姫は目を覚ましません。

白雪姫は死んでしまったのだ。
そう思った小人達はガラスの棺に白雪姫を入れ、毎日涙を流しながら祈りを捧げていました。」


イロハ「どうしてこんな……ぐすん」

ミシェル「くしゅんっ…あんまりだわ……ひっく」

シュミット「白雪姫……ずずっ」

ユーリ「……嫌……何で……?…くすん……」

ロッド「ふええ、嫌だよぉ、死なないでよぉ……ううっ……」

ニール「何で白雪姫がこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ…ぐすっ」

フェリシア「…………ぐすんぐすん」






セルカ「悲しみにくれる小人達の前に、王子様が現れました。」


アレン「何故、泣いているんだ?」

イロハ「白雪姫が…亡くなったんです。」

アレン「彼女は……とても美しい。」


セルカ「王子様は、棺の中にねむる白雪姫を見て、一目惚れをしました。」


アレン「美しい姫君だ……」



chu




イロハ「え…………」

ミシェル「寸止めじゃなく…」

一同「触れたー!!?」





リオ「んぅ………あれ……あなたは…?」


イロハ「し、白雪姫が……」

ロッド「め、目を覚ましたよ!!」

ユーリ「……良かった……」

ニール「ああ、本当に…良かったよ…」


リオ「ありがとうございます。」

アレン「気にするな。
これからはみんなで、幸せに暮らそう。」


セルカ「こうして、白雪姫は愛する王子様と婚約し、王子様と、そして小人達といつまでも幸せに暮らすこととなりました。」




魔女様「………許せない、あの娘、まだ生きてたなんて……


もういいわ!こんな鏡、こうしてやる!」


ガシャァン!


グサッ


魔女様「!!……こんな、ことが……うぐっ……」





セルカ「白雪姫が生きていると知ったお妃様は、怒りのあまり鏡を割ってしまいました。
その際に、割れた破片が心臓に突き刺さり、お妃様は命を落としてしまいました。」








ダンヒル「いやぁ、素晴らしかったよリオくん。」

リオ「あ、どうも」


ティーナ「びっくりしたよー
リオ、キスシーン本当にしたんだね!」

リオ「うん。
相手は自分の恋人なんだからいいかなーって思ってさ。」

ミシェル「なるほどね……って」


一同「ええええええええっ!!?」


ティーナ「じゃあリオはアレンと……」

リオ「付き合ってます」キリッ

ミシェル「聞いてないわよリオ!!」

リオ「略しちゃったから。

ほら、前編最後のさ、

"その間いろいろあったけど…"

の中だったから」


ユーリ「なるほど………」

ティーナ「やっぱ納得行かない!!」




質問攻めを脱したのは2時間後である。


終わり
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