星座彼氏総選挙
「星月学園総選挙!俺達は精一杯戦いぬくことを誓います!」
不知火の一声から始まった星月学園総選挙。それは何かといえば、巷で有名になっていた総選挙を、星月学園の文化祭でもやろうなんていうふざけた発案を思いついた生徒がいて、それに悪乗りした不知火が生徒会権限で成し遂げたのがそれだった。
学校の入り口に全生徒と先生までもの写真が貼られていて、文化祭に来た全ての人に投票してもらおうということだった。
「あー!俺が中間発表負けてやがる…あり得ない…この不知火一樹様が…桜士郎!お前下手くそな写真載せたな!」
「一樹…そんなこと言ってるから中間発表5位なんだよ…」
ぎゃあぎゃあとはしゃぎあっている二人を尻目に青空は中間発表速報の紙を見ていた。
「これは…見事ですね…」
「…ぬぬん……梓人気がすごいぞ〜」
今の一位は木ノ瀬。
クラスの出し物に行って決めている人間も多いだろうから、木ノ瀬の営業スマイルとあの甘い言葉にやられたと考えれば当然の結果だった。
二位は宮地。僅差で木ノ瀬を追い掛ける姿に、皆はあぁ…と変な安心感を覚えた。しかしまぁ当の本人は全く気にしていないと思われるが。
三位は水嶋。やはり歌手だった時代のオーラは強かったのか、天文科のコスプレが押したのか、水嶋は先生組の中でもかなり高い順位にいた。
四位は東月。本人は申し訳なさそうに笑っているけれど、きっとその姿や優しそうに微笑む姿が女子だけではなく男子からも圧倒的な支持を得た様だった。
「会長、頑張らないと…恥ずかしい結果になりますよ」
「お前までそんなこと言うのか…颯斗ぉ…!…ちなみに、だけどお前は誰に入れるんだ?」
「僕ですか!?…あー…男装した月子さんにでも「ダメだ!…お前は自分にか俺に入れろ。会長命令だ」
苦笑いの様な笑顔を溢してから、青空はふわりと笑って、はいと小さく応えた。
「お前は彼氏を一番にしたいだろ?」
「…はい」
青空の肩を抱き寄せ、ぎゅっと強く抱き締めてから青空の唇に触れる様なキス。
「俺はこれがあれば頑張れる」
そう言って、にやりと笑う不知火を、馬鹿じゃないんですか?と真っ赤な顔をしながら突飛ばし歩きだす青空。
しかしその手には、ちゃんと不知火の名前が書いてある投票用紙が握られていた。
「ま、まずは軽く一位。売上も一位を取って、…ってね?二位の宮地先輩」
「む…別に一位を取りたい訳じゃないが…お前に負けているというのが嫌だな…」
宮地は渋い顔をしながら木ノ瀬と会話していた。宮地が渋い顔をしているのは、自分達が女子に囲まれていることもあるのだが。
「一位、二位揃い踏み、ってね?」
木ノ瀬がウインクをするときゃあという歓声が二人を包んだ。すると宮地は顔を顰めながら東月のところに行く!と走って行ってしまう。
「あらら、…振られちゃいました」
「それより梓くん一緒に写真撮って!」
「はいはい…」
ちょっとずつ、文化祭の一日目が終わっていって、皆は二日目に向けて準備をしだす。
「ぬに〜…ぬいぬい何でだ?順位が上がったぁ…」
「これは颯斗のお陰だな!」
「はい、早く片付けをしてください」
よかったですね、と微笑む青空の表情を白銀が激写していたのは誰にも内緒である。
(青空くん、この表情ならいいかもね)
はい!
見事な801な話でしたが、…ちょっとやりたかったんですよ^^
ツイッターでAKBの総選挙を押し退けて話題のワードでStarry☆Skyが入っていた時があったのでうれしくて書いてしまいました!!
1週間くらいしたら消します(笑