サンジはモテる。どのくらいモテるかというと、10人中10人が振り返るくらいモテる。
だからといって、おれは遠慮しないっ!!
あいつがモテようがモテまいが、おれがあいつを好きなことに変わりないし、あいつがおれを…す、好きなのも変わらねぇからだっ!!
「ふん、ふんふふ、ふんふんふん、ふふふふふんふんふーん」
おっと、ついおれとしたことが…
「……!」
敵を発見、敵を発見しました!!
あの野郎また、、ナミたちにでれでれしやがって…!おれにあんな顔した事ねえーじゃねーか!いや、でも、これは、遠慮…した方がいいのか…?ただ、デザート渡してる方にも見えるが…ん、判断が難しいな。
自前の望遠鏡で覗く。そこには、デザートを配っているサンジの姿がある。その顔は、とても放送できないくらいに崩れていて…
(ん?何か忘れているような………)
ウソップが考え込んでいると…
コツコツコツ
「おい、長っ鼻!」
「おう?どうした…モガッ」
口にクッキーを詰め込まれる。
「さっさと食わねえと、ルフィに全て食われんぞ」
呆れ顔のサンジ。
「!? おう、ありがとな」
おれは菓子の元に急ぎながら、今回はサンジが運を味方につけたな…と悔しい思いでいた。
サンジに1回だけ怒ったことがある…いや、怒ったつーかキレた?あいつがあまりにも、おれ以外にでれでれして、その当時はまだまだ付き合った初めの頃だったから、不安で誰かに取られるんじゃないかと考えて…その想いが爆発した…
(サンジ、てめェふざけんなよっ!!)
(ウソップ?)
(てめェが付き合ってんのはおれじゃねーのかよっ!もう、てめェなんか知るかってんだっ!!)
一方的にキレて、ああ、アイツ呆れるかなこれで恋人も終わりかなって思ってたのに
(あ 悪かったな)
サンジは一瞬戸惑ったようだったけど、素直に謝ってきて、でも、あいつが女尊男卑なのは変わらねぇから、あいつはできる限り、おれのみない所で、その行為を行うようになって、できるだけおれに配慮してくれるようになった。
「悪いことしたとは思ってる…」ブツブツブツ
小声で言い訳したってあいつの耳には届かないが、こうでも言っとかないと、あの時のおれにとっては、受け入れることが出来なかったと言うか…ネガティブのおれ様にはありえないくらい、ポジティブになってしまったとか
(今、ネガティブホロウくらったら、、凹む自信あるな…)フッ
あー、でも考えねェとな。おれ様のこの異常な、嫉妬心を。自分でもわかってんだ、明らかにこれはおかしいって。でも、そうでもしねェと、あいつとられそうで、いや、とられるってか、あいつが別のだれかを好きになりそうで??
いや、意味わかんねェな。あいつが好きなのはおれだろ……?それが、いつかあいつが好きなのはおれじゃなくなる………?はっ?
「おい、ウソップ」
「何かね、サンジくん。おれ様は今、大事なことを考えてる最中なのだが…」
「(こいつ……)ほら、てめェこっちに来やがれ」グイッ
「おっとと…?サンジ、なんで引っ張ってんだよ」
「あ?………別にいいじゃねェかよ」
サンジの頬が赤くなる…
なんで、あいつ赤くなってんだ?サンジにひかれるままウソップ工場支部につく。そこは、ちょうどタイミングがいいのか、それともサンジが追い払ったのか、誰もいなくて………そこまで来てやっと、ウソップは察する。
(あ、こいつおれとイチャイチャしたいんだな)は、はーん
(しょうがねェな…)ニヤニヤ
サンジの隣に座り、もたれかかる。さっきまで、考えてたことが消える。一人で考えてると辛くなってくるが、サンジが隣にいると、安心した気持ちになるんだな…
(ああ、好きだな」
ガタッ
今、、声に出してた?!
「おい、、ウソップ」
ひえ………後ろに炎を背負ったサンジがこちらを睨む。
「てめェ、言う時は言えっつってんだろうが、こっちもこっちで心の準備っつーもんがなァ…」クドクド
「そ、そんなこと言ったってな、おれ様も言うつもりはなく…つい言葉が出ちまったというか…なんというか」
しどろもどろになりながら、言い訳を考える。
「そっ………それじゃあ、仕方ねェか」
同じように座りなおす、さっきと違うのは、サンジはこっちを向かず、赤い顔を隠すため向こうを向いてるくらいで。いや、なんなら、さっきよりも距離は近いのか…?
(まあ、おれ様とサンジくんとの恋は始まったばかりだからな!)
「サンジくん、好き」ボソッ
「………おれもだよ、クソが」