「卒業おめでと、アーサー。」
私の言葉にアーサーはおう、と返事をし、優しく微笑んだ。

「ありがとな。…って、べ、別に嬉しいとか思ってないんだからな!!」
いつものツンデレを発揮させるアーサーはいつも通りで、そんな姿に私はというと虚しさを感じていたりする。
いつも肩に付けていた生徒会長の肩書きがない今、彼は生徒会長を降りたこととなる。
それが、名無しにはとてつもなく大きく感じた。


「生徒会も寂しくなるなあ。」
そう苦笑しながらも笑えば、目の前のアーサーもただただ吊られて苦笑するだけ。


「…まあ、生徒会は卒業生が多かったからな。
まあ、頼りになんねーけど、アルもいるし、名無しがいるなら大丈夫だろ。」
アーサーの言葉にそうかな?と尋ねれば返ってくるのは肯定の言葉。
当たり前だろ、と笑われた。
別にアーサーは遠くに行くのでも、離れて行くわけじゃない。
緩んできた涙腺をなんとか塞き止めながらも、私はうん、と頷いた。

「なんて言ってもお前は俺の彼女だから、大丈夫だ」
くしゃくしゃと大雑把に私の髪を撫でながらも、アーサーは眉を八の字にして笑いながらもそう言った。

「…名無し」
「うん?」
「向こうで、待ってるからな」
 
 
(迎えに行きます)