「みょうじなまえ、大嫌いじゃよ」
「知ってる。仁王雅治、私もあなたが大嫌いだよ」
静かな教室にのびるふたつの影に、響く声。
しょうがないじゃろ。
こうでもしないとお前さんは俺を見ない。
ねえ、嫌いになるから私を愛して。
あなたに愛されたい私はいないから。どこにもいないから。
あなたの声なんていらない。
お前さんの心だっていらない。
お前が、
あなたが、
そうやって
苦しんでる顔が見れたらいいよ
110210
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