夕日の差し込む教室。放課後ということもあり、もう誰も残ってない。
そんな教室からテニスコートにいる彼を見る。



ふと窓の外を見たときにテニスする彼を見かけた。
それからというもの、放課後の教室から彼を見ることが習慣になった。




「…なまえ、起きんしゃい。なんじゃまだ帰っとらんかったんか」


「んー、におー?部活は?」


どうやら気付かない間に寝てしまっていたらしい。外は日が落ち、黒く夜に染まっていた。


「ノート取りに来たんじゃよ」


「そっかー…ぇぇえ!に、仁王?!」




寝ていた脳が覚醒し、状況を理解する。


目の前にはいつも遠くから見ていた彼がいた。そして、ひそかに片思い中だったりする。




「こんな時間じゃボールが見えん。がいに終わっとぉよ」


「そ、そうだよね」


「ノート忘れたかいがあったのう」


「そうでもせんとゆっくり話せんじゃろ」


「え…」


「毎日見られると俺でも照れる」




顔を真っ赤にして急に立ち上がる彼女。鞄を持って帰ろうとする。




「遅いから送る、方向一緒じゃろ」


「結構です、それに見てないから!!」




うそ、見ているうちに次第に彼に惹かれていった。今も話しているだけなのにドキドキして、胸がいっぱいになる。




「そんな顔して言われても説得力なかよ」




そういうと近づいて来て、急に耳元でそっと囁かれる。息がかかり、心臓はさらに早鐘を打つ。きっと耳まで真っ赤になってる。




「俺は好きなやつにしかこんなことせん」




言われたばかりの言葉が頭の中でぐるぐる回る。




「ば、ばか!あたし自惚れるよ…」


「自惚れればよか」




気付けば仁王の腕の中にいた。抱きしめられてることを理解するのに時間がかかった。




「仁王、好き…」


「俺はもっと前からじゃがな」








気付いてた、
ただ気付かない
フリをしてたんだ





大好き、愛してる
だからどうか放さないで







 









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