「蓮二ー、今日何の日か知ってる?」
部活を終えて、帰宅したと同時に俺の部屋に入ってくる幼なじみでもある彼女のなまえ。
「今日は11月11日だか…」
11月11日はポッキーの日であると知っていながらあえて知らないふりをしてみた。
「立海のデータマンもまだまだだねー」
「そろそろ焦らさずに教えてくれないか」
「ではでは…じゃーん!」
そんな彼女の手にはやはりポッキー。確立で言えば94.6%といったところだった。
「ポッキーの日なんですよー。てことで一緒に食べようと思ってもって来たんだ」
楽しそうに箱がポッキーを出しながら説明している姿が可愛いくて、微かに体温が上がるのを感じた。
ふたりでたわいのない会話をしながらポッキーを食べる。なまえもおいしそうにポッキーをほお張る。
「なまえ…」
「どうした……ん…」
カリッ
なまえのくわえているポッキーの反対側から蓮二がポッキーを食べ始める。
目の前には蓮二の整った顔がある。一気に顔が赤くなるのがわかった。
カリッカリッ
蓮二がポッキーを食べれば食べるほど距離が近くなる。ドキドキして目をぎゅっとつむるとほっぺに蓮二が手をそえた。
ふたりの間のポッキーがなくなる。
唇がはなれると今度は蓮二に抱きしめられた。
「ねえ、今日ポッキーの日って知ってたでしょ?」
「さあなんのことだか、わからないな」
優しく微笑む彼がいつもよりかっこよく見えて心臓が早鐘をうつ。
「じゃあ…な、なんでポッキーゲームしたの?」
「なまえがあまりにもおいしそうに食べていたから欲しくなっただけだ」
「どれも味は一緒だよ?」
「なまえと食べるとより甘く感じる。ポッキーだけじゃなく…な」
そう言ってなまえの唇を指でなぞる。顔を真っ赤にして俯く彼女にもう一度甘いキスをした。
ドキドキ
ポッキーゲーム
▼