始業式も無事に終わり、今は教室にいるブン太や仁王、岳人たちとお菓子を食べてる。 この2人とはブン太を通して友達になった。みんなテニス部で、しかも全国にも行ったことがあるらしい。 あたし次元違くね?!! 「何やっとるん、ミーティングもう始まるで」 「げっ、跡部に怒鳴られる」 「真田のビンタだけは勘弁して欲しいのう」 「じゃああたしも帰ろっと。よらないと行けないとこもあるし。また明日」 「牧野、明日はじゃがりこ食いたい!」 「あはは、了解。その代わり今度美味しいケーキ屋教えてよね」 「まかせろぃ!」 また明日、と一言行って教室をでる。ブン太たちを迎えに来た丸眼鏡と目があったけど、気のせいだよね。 気のせいにしておこう、凄く変態くさいオーラがしてたし。 「えらい仲良うしとったようやけど今の誰や」 「ああ、牧野のことか。丸井と話しててそしたら自然とって感じだぜ」 「そうなんか。なんか不思議な感じの子やったな」 「それより早くしねえとマジでビンタくらうぜ」 「ミーティングは音楽室でやるさかい急がなあかんな」 「集合時間まで後1分ぜよ」 「地獄絵図が浮かぜ…」 その場の5人から血の気が引いていく。全員一目散に音楽室へと走りだした。 「遅い!3分の遅刻だ、集合時間も守れんとはたるんどる!!」 『(3分遅刻で説教かよ!!)』 「おい、真田。説教は後だ、今日は取り敢えず部員のメンバー確認だ」 「全員知ってると思うが部員は氷帝、立海、青学のテニス部、そして、マネージャーだ」 「立海でマネしてた水瀬那璃です。これからはみんなのサポートをさせて貰いますんで、よろしくお願いします」 「よし、跡部。では、私からひとついいか」 「はい(いつからいたんだ…)」 ガラッ 「んだよ、おっさん。 わざわざ呼びだしやがっ…てええ!!」 「牧野、会いた「消えろ」ごふっ」 榊の腹に牧野のパンチが決まる。と同時に何かが抱き着いてくる。 「牧野!めっちゃ会いたかったよVV」 「久しぶり、那璃。元気そうだね」 そう言って頭を撫でてあげる。 もはや自分たちの世界に入っているふたりを余所に、周りは頭の回転がついていっていないようで固まっている。 「ごほん、本題に入るんだか…」 「回復早っ!!もう少し眠ってくれてればよかったのに、てか一生起きるな」 「君はおもしろいことを言うんだね」 これまた綺麗な子に話し掛けられました。幸村くんが白雪姫なら、こっちはシンデレラ的な感じ?てかふたりから同じオーラを感じるんだけど。 「幸村なんかと一緒にしないでくれるかな」 「すんませんしたああ!!」 やばい、一緒だよ。読心術とか黒いとことかそっくりじゃないかよおお!! 「牧野どうしたの」 「ゆ、幸村くん!だだだ、大丈夫でござる」 「ちょっと精市に周助、牧野はうちのなんだから!」 「その前にお前日本語おかしいだろ!」 「そんなことないにょ、帽子くん。…多分」 「現におかしいだろ」 南米な人まで! どうせ日本語もまともに話せませんよ。でも、誰だってあのふたりの殺気を感じればああなるって。 ああ、もう意味わかりません。 帰らして下さい。 「悪いんだけど、一度榊先生の話を聞かないかい?」 「ありがとう、タマゴくん。君はあたしの恩人だ」 「ぶふー!!先輩最高っスね、大石先輩を…く、あはは」 「た、たまご……」 なんかみんな笑いこらえてるんだけど、あたしミスった? だって名前知らなかったんだからしょうがないよね。取り敢えず落ち込んでいる大石に謝り、榊の話を聞く。 「まず始めに言っておくが牧野は私の姪だ」 「うちは小学校の頃からの親友。中学から今までは立海に通ってたけどね」 「なるほど…データを取らなければならないな」 「だああ!!早く用件を言え、簡単に30字以内で!」 「牧野には今日からマネージャーになってもらう」 言い切った!簡単に30字以内で本当に言い切ったよ、そしてさりげなく爆弾発言された。 「い や だ」 「俺牧野がいないなら部活行きとうなか」 「うち、この人数相手にひとりはキツイな…」 「ったく、那璃がそう言うならやるよ。んな可愛く言われたら断れないじゃんか」 とことんあたしは那璃に甘いと思う。それはお互い様なんだけどね。 「てことでマネージャーになりました、3年の斗未牧野です。好きなことは食べること!じゃあこれからよろしくお願いします」 庭王学園 男子テニス部 部員 元立海・元氷帝・元青学テニス部諸君 マネージャー 斗未牧野 水瀬那璃 こうして愉快な仲間たちとの日常が幕を開けた。 next 加筆修正11.01.21 |