5000hit 輝け、明日へと(丸井)




『常勝ー、立海大!!』




「きゃー、頑張ってー」




応援の声に混ざって聞こえるのは女子達の黄色声。そして、今私もその中にいたりする




と言っても朝早くに電話がかかってきて友達に借り出されただけなんだけどね。やることなかったし、テニス好きだし。まあ、暇つぶしみたいな?




数メートル先のコートでは私の学校立海大と青いジャージをきた青春学園が試合してる。てか、恥ずかしい学校名だな




いい加減周りの雰囲気に嫌気をさして、一緒に来てた子に断りを入れて別の場所に移動する



少し離れた芝生の上に腰を下ろす。少し斜面になっているので、ここからでも十分に試合を見れる




木に寄り掛かり試合を観戦する。正直、彼らに圧倒させられた。技術もだけど、なによりも一人一人が生き生きしてる。
本当にテニスが好きなんだなー。そんな気持ちが伝わってくる。普段の彼らじゃ考えられないけど




試合が始まり大分経ったと思う。喉が渇いたので自販機にジュースでも買いに行こうと立ち上がったら、目の前に冷えた缶ジュースが差し出された




「試合中にこんなとこにいていいの、丸井ブン太くん」




ありがとう、とだけ言い、受け取って缶をあける。一口飲めば喉が潤っていくのがわかった。冷えていてすごくおいしい




「だーいじょうぶだって」




「真田に怒られるよ」




「平気平気!俺試合終わったし」




「ならいいけどさ」




「それにしてもなまえが来るなんて珍しいな」




「まあね、それにたまにはこういうのも悪くない」




空を見上げて小さく笑った




「よしっ!」




意味がわからず、ただ丸井を見ていた。なんか、いや、かなり嬉しそうなんだけど。私なにかしましたっけ?




「いや、俺らの前で笑ってるとこ見たことなかったからさ」




「そんなことないと思うけど」




自分のことって案外わからないらしい




「そういえば試合すごかったねー、おめでとう」




「サンキューな!俺、天才的だっただろぃ」




「自分で言うなよー。まあ確かに上手かったけど」




「でも、なまえがいたからいつも以上に頑張ったんだぜぃ」




「ばーか、そんなこと言ってると自惚れるよ」




冗談めかして言えば、




「自惚れるていいから」




試合中のような表情をした丸井にそう言われた




「やべっ、真田にばれた!!」




「あーあ、だから言ったのにー」




「また見に来いよ!俺の秘技見せてやるぜぃ」




「楽しみにしてるよ、"ブン太"」




「おう!」




さて、大会が終わった後どうしようかな?






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「ブン太、お疲れ様」




「なまえ…ごめん、勝てなかった」




「なんで謝るのよ、一生懸命やったじゃない」




「それにはまだ終わってないでしょ。全国で優勝してみせてよ」




俯いていたブン太の顔に少しずつ光が戻っていく




「あたりまえだぜ!」




「その瞬間に私も立ち会わせてよ」




「なあ、全て終わったら言いたいことあるんだけど聞いてくれるか?」




「私でいいなら。待ってるから、ずっと」




それに彼ならきっと勝ってくれるだろう




どんな結果であれふたりが一緒になるまで後少し






090604









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