フェアリースノー 仁王




「ついてないのぅ」




今日は大晦日で、家族が勢揃いしとる。
ゲームで負けたせいで酒のつまみを買いに行かされてるんじゃが……




「雪降っちょるなんて聞いとらん!」




寒い寒い寒い寒い寒い。
コンビニまでの道のりが長く感じる。
さっさと買って帰って、こたつであったまろう。




適当につまみをカゴに入れて行く。
あー、めんどくさい。




「よ、仁王」




声のしたほうを見れば、なまえがいた。




「なんじゃ、なまえもおつかいか?」


「うん。酒飲んでたら、おつまみなくなっちゃってさー」


「そうか、てまだ未成年じゃろーが」


「正月くらいいいじゃない」




確かにちょっと頬が赤い。
酔ってるのか、ちょっとふらっとしてる。
ふたりそろって雪道で肩をならべ、歩く。




「なんかあっという間だったな。春には大学生だよ」


「そうじゃな、なまえは大学どこ行くんじゃ」


「仁王と同じとこ」


「持ち上がり組か」


「うん、学部も仁王と同じところー」




へらっと笑いながら、答えたなまえが一瞬消えた。




雪ですべってこけたなまえに手を貸す。
頭についた雪をはらってやれば、ありがとう、とふにゃっと笑った。




見たことのない表情にドキッとした。らしくないのぅ。




「家どっちじゃ」


「あっちー。なんで?」


「送ってく。俺の家と近いんじゃよ」


「ありがと。うぁ、におっ?!」




手をひいて、歩きだす。
さっきよりも真っ赤になったなまえ。
自分の心臓の鼓動がさらに速くなる。
ああ、なんで今まで気付かなかったんじゃろ。




「やじゃった?」


「ううん、あったかい…」




繋いだ手を少し強く握れば、同じように握り返される。





「もうすぐ新年じゃな」




携帯を見れば、後1分で新年をむかえる。




「一緒にカウントダウンしよっか」


「そうじゃな」




4、3、2、1……




『明けましておめでとう!』




そう言って笑った彼女の耳元に口をよせる。




「も、もう一回言って!!」


「いやじゃー」


「仁王っ!!」




今年も楽しい年になりそうじゃな。




「なまえのこと好いとんじゃけど、どうしたらええかの」




「あたしも仁王のこと好きなんだけど、責任取ってくれる?」


「あたりまえじゃ」






A HAPPY NEW YEAR!






溶け合った体温。

ふたりで一緒に歩いていこう。






後書き

明けましておめでとうございます!!

受験生ということもあり、昨年は更新停滞など迷惑をおかけしてしまいすみません;;
もうしばらく待っていて下さい。春には戻ってきますので!笑

これからも弓弦と届かない声をよろしくお願いします(*^^*)

今年もなまえさんにとっていい年になりますように!

11.01.01









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