どこにでもいるような普通の子、それが##NAME2##なまえ。
だけど、ひとつだけ他の女子と違うところがある。
それは、俺たちテニス部が苦手。いや、嫌いってとこじゃ。
俺らは顔がいいこともあって女子から人気がある。まあ、俺はそう言う女は嫌いじゃけど。
たいていのはキャーキャー言うのに、あいつだけはない。
興味本位で声をかけたのは一ヶ月前。
「なにしとんの?」
「さあ、なんでしょうね」
正面から声をかければ、読んでいる本から視線を外さずに淡々と言葉だけを返す##NAME2##。あー、周りがうるさいのぅ
「何か用?貴方がいると周りがうるさくて、たまらないんだけど」
「奇遇じゃの、俺も思っとった」
あ、思いきりにらまれた。
何故関わろうとしないのか?
それは、##NAME2##は面倒なことが嫌いだからじゃ。
本人いわく俺らと関わると、ろくなことがないらしい。
それから、2週間前。
「授業始まっとるよ」
「その言葉そっくりそのまま返す、あたしは気分転換よ」
「俺もじゃ。なあ、ひとつ聞いていい?」
今度は、めんどくさそうな顔された。
「俺らのこと嫌い?」
「さあね。でも、あんたのことは嫌いじゃないよ」
「なんでー?」
「つかめないから。けど、この前みたいなことは辞めて欲しいわ」
俺はお前さんがつかめんよ。
でも、ひとつわかった。
「話しとったら、周りの女どもになんかされるもんな」
「そう。でなきゃ、こんなレッテル貼らない」
「変わっとるぜよ」
「あたしと話したがる、仁王もね」
「ピヨ」
笑った。初めて名前呼ばれた。もっと素直に笑えば、かわいいのにのぅ
そんなことを思いながら、つまらん授業を受ける。
突然##NAME2##からくしゃくしゃに丸められた紙の切りはしが投げられた。
広げて、読む。小さく吹き出し、##NAME2##を見れば、こっちをむいて、口を動かした。
こっち見すぎ。穴あく。気付かないうちにずっと見とったらしい。
それが今日。
つれない態度の君だからこそ落としがいがある。
はまった時点で俺が落とされちょるけど。
つれない態度に、落ちてしまったのは俺だったなら、どうやって彼女を落とそうか――09.09.23
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